2020年6月アーカイブ

東京都知事選、誰に投票するか。

 

毎回恒例の、僕はどこに投票するか、です。

僕は神奈川県民なのですが、東京都知事選のことを書きます。
いうまでもないことですが、都民1200万人の命と暮らしをあずかる行政首長
の選挙であり、国全体にも大きく関係することです。

過去最多の22人のひとが立候補しているのだそうです。
都知事選というのは、毎回ヘンなのが立候補するのが常ですが、今回はとくに、さながら地獄絵図です。

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選挙公報:
https://2020tochijisen.tokyo/public/files/senkyokouhou_all.pdf

ブログで書くべきことがあまりに無くてヤバいのですが、あらためて同じことを書きます。

選挙というのは、僕たちのものです。政治家のものではない。それは右の人も左の人も同じです。だから、僕たちは、選挙に向き合うため、みんなの〈常識〉というのをつくらないとアカンと思います。新聞もテレビも文化人も芸能人も、「投票にいきましょう!」とか、そんな東京ディズニーランドのようなことばかり言うていては、おさきは真っ暗です。というか、真っ暗です。光がみえません。光はどこにあるかというと、きっと、誰に投票するかをみんなで「話し合う」というところにあるはずです。それが民主主義のはずです。ジャーナリズムも言論もデモも、すべてその一環のはずです。
そういうわけで、その常識というのは、三つくらいではないかと思います。

一つ目は 誰に投票したらいいか、隠すのではなくてみんなで話し合わなくてはいけない。報道にしても、井戸端でしゃべるにしてもケンカにならない術を、大人は身につけよう。音楽家とか文化人とかは、誰に投票するか発表したほうがいいと思う。それが「話し合い」につながるから。(じっさいに誰に投票したかは言う必要はない。)

二つ目は、サンタクロースが存在しないのと同様、救世主はこの世にいない。だから選挙というのは「よりマシ」を選ばなくてはいけない。それで世をすこしずつ良くしていくしかない。

三つ目は、政治というのは基本的には〈政党政治〉でなりたっている。だから、政党でえらぶ。一番マシと思える政党を、選挙期間だけでなく常日頃から、きびしく叱りながらはげしく応援するしかない。政党っていうのはそもそも、そういうものだったはず。

よーするに、この三つを駆使して、リベラリズムというのか、ソーシャルデモクラシーというのか、むずかしい言葉は知りませんが、そういう、自由とか人権とか民主主義とか言いながら、弱い人の側を大事にする政治をつくっていくしかない、ということなんじゃないの。

前置きが長くなってしまいました。東京都知事選です。
前回は小池百合子は290万票をとりました。そのときは自民が180万票、立憲共産社民の鳥越が130万票でした。やはり、今回も小池百合子が当選するといわれています。

主な候補者はつぎのとおりです。

 小池百合子(無所属、現職、元防衛大臣)
 宇都宮健児(無所属、元日本弁護士連合会会長)
 山本太郎(れいわ新撰組、元参議院議員)
 小野泰輔(日本維新の会、元熊本県副知事)
 立花孝志(ホリエモン新党、元参議院議員)

ひっくりかえしても、ヨコから見ても、ナナメから見ても、宇都宮健児しかいません。「貧しい人の力になりたい」と言って弁護士になった人であり、その志を貫いていることはあらゆる実績があらわしています。今回は、立憲民主党や共産党や社民党も、ちゃんと宇都宮を応援することにしています。

そのときどきで、うまい話にのったり、うまそうな話をつくったりして、なんとか時流に乗って延命をはかる政治家や政党は、いずれ根負けして居なくなってしまいます。そういうのは歴史を後退させる者だと思う。いまの日本の死屍累々たるありさまは、こういう政治を良しとした結果じゃないでしょうか。

誰が勝つかということではなく、宇都宮健児が何票をとるかということが重要だと思います。日本をすこしずつ良いところにするのは、何十年とか何百年の話だからです。

僕が東京都民であったら、都知事選では宇都宮健児に投票します。


"BREAK EVERY CHAIN"

 

BREAK EVERY CHAIN sung by Tasha Cobbs Leonard, First Baptist Church of Glenarden





力はある イエスの御名において
力はある イエスの御名において
あの鎖
この鎖
どの鎖も
切ってしまえ

味方が進撃を開始した
味方が進撃を開始した
あの鎖
この鎖
どの鎖
切ってしまえ

ガチャリガチャリ
  鎖がおちてゆく
ガチャリガチャリ
  鎖がおちてゆく




There is power in the name of Jesus
There is power in the name of Jesus
To break every chain
Break every chain
Break every chain

There is an army rising up
There is an army rising up
To break every chain
Break every chain
Break every chain

I hear the chains falling
I hear the chains falling



知らないオジサンについていく子供の話

 

もう四、五年前のことですが、こんなことがありました。
僕の娘の、当時の同級生のAちゃんのことです。小学4年生の女の子です。

「Aちゃんっていう友達、ちょっと変わってるねん」
「へえ、そうなん。どういう風に?」
「考えられへんような行動をとるねん。知らないオジサンについていったり」
「えっ! 知らないオジサンについてったん? それはタイヘンなことやんか!」
「うん、結局は何もなかったから大丈夫やってんけど」
「ああよかった。何があったん?」
「公園でな、お婆さんが倒れてたらしい。それでAちゃんが声をかけて助けようとしてん。A子ちゃん一人では助けられないから、通りかかった男の人にお願いしてん」
「ほんで?」
「それで、そのお婆さんは大丈夫やったけど、念のため、二人で家まで連れていった。そのあと、そのオジサンが、〈じつは、この番地の住所の家をさがしてるんだけれども、どこか分かる?〉って聞いてきたらしい。〈ウチが〇丁目〇番だから、それなら近くのはずだよ〉と言って、しばらく一緒に探してあげたんやって。それでそのオジサンの探していた家はすぐちかくで見つかったんやって。それだけ。だから何事もなかったんやけど」
「なんやあ、そんなことかあ。それやったら、Aちゃんは悪くないやん。〈ついて行った〉っていうわけでもないやん」

ここからが問題です。
「え、なに言うてんの、大問題やん。絶対ついていったらアカンやん?」
「そうなん? それくらいはエエんちゃうの? オレがそのオジサンの立場やったら、同じことするかも。知らない土地で〈お嬢ちゃん、どっちに行けば電車の駅か教えてくれる?〉とか訊くかもしれへん。公園で、ヒマつぶしに〈おにいちゃん、カッコいいオモチャ持ってるねえ〉とか」
「えっ! それは絶対にアカン。〈お嬢ちゃん〉って声かけた時点で、完全にアウトやん。それは、コワいオジサンやで、不審者やで」

これにはショックをおぼえました。自分が、「コワいオジサン」すなわち不審者のたぐいだと云うのです。自分で、なかなか認めることができず、しばらく僕の脳みその機能は停止しました。
すこし時間をかけて、ようやく理解してきました。結論として、僕が「不審者とまちがえられる予備軍」から離脱する方法は一つしか残されていません。なにがあっても知らない子供と話をしないと心に誓うことです。
僕は心のなかで「そんなアホな話があるか、僕は不審者じゃないぞ、子供は世の宝だ、近所の子供と挨拶程度ならさせてくれよ」なんて思ってしまいます。でもそれは誰からも許してもらえないのです。知らぬ間に自分も抑圧者のグループに属しているからです。「男性」「おじさん」という悪いほうのグループに。
いろいろと弁明をして、自分が不審者でないと説明しても意味がありません。それに、昼ならイイ、夜はダメとか、そういう問題でもありません。田舎ならイイが都会はダメとか、道を訊くのはイイがお菓子をあげるのはダメとか、そういう問題ではありえないのです。
僕ではない他の誰かのオジサンが子供にいたずらをするような事件があるので、世の子供達は知らないオジサンと口をきいてはいけませんと教えられているのであり、それを大人は常識として知らねばならず、したがって僕は子供に話しかけてはいけないのです。

たぶん、差別を無くす、ということはこういうことなのかなと思ったのです。
人は、抑圧者であったり圧倒的な優位にあるグループに属していることを認識できない。ある側からしか見たことがないので、もう一方の立場が理解できない。男と女とか、先輩と後輩とか、上司と部下とか、社長と従業員とか、医者と患者とか、お金持ちとそうでない人とか、教師と生徒とか、大家さんと借主とか、大企業と消費者とか、行政と市民とか、政治家と庶民とか。健康な人と障害のある人とか、身体に不満がないと自信が無い人とか。強いもの側からの目線。その人に悪気がなくても、すでに世の中は弱い者いじめであふれかえっている。知らないあいだに人をいじめている。
視界をひっくりかえして弱いもの側からの視点にたつことができれば。じつは簡単なことなのに、思わず、「オレはちがうぞ、オレはいじめてないぞ」とやってしまう。

本当に「オレはちがうぞ」なのだろうか、ということが問題です。いまあげたケースで云うならば、「善意の子供好きのおじさん」も、すこし子供と楽しく話をしてみたいという気持ちは、世の中からおかしな犯罪や差別が無くなる日まで我慢しなければならないということです。子供からすれば、オジサンに話かけられてもイイことなんて一つもないのです。
「強い側」と「弱い側」が発生するときに、強い側に弱い側の視点を獲得させるということです。強い側にいる者からすれば、簡単には理解できないことが、いくら聞いても信じられないようなことが、この世にはあふれかえっていて、あふれすぎて、血も涙もそこらじゅうに流れていて、それでも目に入らないのです。


LEAN ON ME(ビルウィザーズ 1972年)

 
"LEAN ON ME" by Bill Withers, 1972







Sometimes in our lives
We all have pain
We all have sorrow
But if we are wise
We know that there's always tomorrow

ながい人生 ときには
誰だって つらいことがある
誰だって 悲しいことがある
でも昔から云うよ
かならず明日は来ると

Lean on me
When you're not strong
And I'll be your friend
I'll help you carry on
For it won't be long
'Til I'm gonna need
Somebody to lean on

僕に寄りかかりなよ 強くなれないとき
友達になってあげる
耐えるのを手伝ってあげる
いずれ僕だって
誰かに寄りかからなくちゃいけない

Please swallow your pride
If I have things you need to borrow
For no one can fill those of your needs
That you won't let show

僕にできることがあったら
教えてほしい
恥ずかしがらずに言ってくれなきゃ
君が何を必要としているのか分からないよ

So just call on me brother when you need a hand
We all need somebody to lean on
I just might have a problem that you'll understand
We all need somebody to lean on

そうさ 誰かの手を借りたいときは
僕のところに来なよ 兄弟
みんな 誰かに寄りかかって生きるんだから
いつかは僕の悩みを聞いてよ
きっと分かってくれる
みんな 誰かに寄りかかって生きる

Lean on me, when you're not strong
And I'll be your friend
I'll help you carry on
For it won't be long
'Til I'm gonna need
Somebody to lean on

僕に寄りかかりなよ 強くなれないとき
友達になってあげる
耐えるのを手伝ってあげる
いずれ僕だって
誰かに寄りかからなくちゃいけない

So just call on me brother when you need a hand
We all need somebody to lean on
I just might have a problem that you'll understand
We all need somebody to lean on

そうさ 誰かの手を借りたいときは
僕のところに来なよ 兄弟
みんな 誰かに寄りかかって生きるんだから
いつかは僕の悩みを聞いてよ
きっと分かってくれる
みんな 誰かに寄りかかって生きる

If there is a load you have to bear
That you can't carry
I'm right up the road
I'll share your load
If you just call me

大きな荷物があって
抱えきれないとき
僕が出かけていって
一緒にかついであげる
呼んでくれさえすれば

Call me whenever you need a friend
Call me if you need a helping hand
Call me
Call me...

僕を呼びなよ 必要なとき
僕を呼びなよ 僕でよければ
僕を呼びなよ
僕を呼びなよ


"LIVING FOR THE CITY" by Stevie Wonder, 1973



苛酷なミシシッピー州に 男の子は生まれた 
四方を囲む壁 いい眺めじゃない
両親は愛情いっぱいに 男の子を育てた
強い人間になれよ まっとうな人間になれよと

 かろうじて ただ、かろうじて
 この町で 暮らしている

父さんは働く 毎日14時間
それでも1ドルも残らない
母さんは出掛ける 床掃除の仕事へ
それでも1セントも残らない

 かろうじて ただ、かろうじて
 この町で 暮らしている

近所で評判の 黒人美人の姉さん
丈の短いスカート がっちりした脚
学校まで歩くため 毎朝早起きする
着ふるしばかりでも 身なりはキチンとしてる

 かろうじて ただ、かろうじて
 この町で 暮らしている

頭のきれる青年に育った とび抜けて勘がいい
辛抱づよい人間になった 後に辛抱もきかなくなるが
仕事をさがそうにも 宝くじを当てるようなもの
この町には 黒人を雇うところなんて無い

 かろうじて ただ、かろうじて
 この町で 暮らしている


間奏:
 (駅のバス乗り場にて)
 「ニューヨークシティー行きでございまーす」
 「おーい、運転手さん、乗るよ! ちょっと待って!」

 (街に到着する。)
 「うわあ、すげえ、これがニューヨークか・・・。聞きしにまさる都会だあ・・・」
 「よお兄弟、カッコいい服きてるじゃん、五ドル貸してくれよ」

 (パトカーサイレンの音)
 「あっ、お巡り! あばよ、お前も走って逃げろ!」
 「え、なに? どういうこと?」
 「オイ、口をとじろ! 両手をあげろ! 後ろを向け! 」
 「僕が何をしたっていうの? ただ歩いていただけだよ! どういうこと?」

 (法廷。判事の声。)
 「陪審員の評決は有罪。10年。」

 (刑務所。看守の声。)
 「おい、立て、この黒ん坊! 中にはいれ!」
 (牢がしまる音)


ぼうぼうにのびた髪 歩き疲れた砂だらけの足
くる日もくる日も ニューヨークの通りをふらつく
汚れた空気を吸い過ぎて 体は蝕まれる
投票場に行ってはみたが 光明があるわけでもなし

 かろうじて ただ、かろうじて
 この街で 生きている

心からの嘆きが 君にとどくよう祈っている
この歌を聴いて 明るい未来をつくってくれ
街には人の心なんてない こんなヒドいところがあるか?
いま変わらなければ 世界が壊れる日も遠くないだろう

 かろうじて ただ、かろうじて
 あの街で 生きている

 かろうじて ただ、かろうじて
 生きられるだけじゃダメなんだ


A boy is born in hard time Mississippi
Surrounded by four walls that ain't so pretty
His parents give him love and affection
To keep him strong moving in the right direction
Living just enough, just enough for the city

His father works some days for fourteen hours
And you can bet he barely makes a dollar
His mother goes to scrub the floors for many
And you'd best believe she hardly gets a penny
Living just enough, just enough for the city

His sister is black but she is sure enough pretty
Her skirt is short but Lord her legs are sturdy
To walk to school she's got to get up early
Her clothes are old but never are they dirty
Living just enough, just enough for the city

Her brother's smart he's got more sense than many
His patience's long but soon he won't have any
To find a job is like a haystack needle
'Cause where he lives they don't use colored people
Living just enough, just enough for the city

Living just enough for the city
Living just enough for the city

His hair is long, his feet are hard and gritty
He spends his life walking the streets of New York City
He is almost dead from breathing in air pollution
He tried to vote, but to him there's no solution
Living just enough, just enough for the city

I hope you hear inside my voice of sorrow
And that motivates you to make better tomorrow
This place is cruel no where could be much colder
If we don't change the world will soon be over
Living just enough, just enough for the city

Living just enough
Stop giving just enough for the city



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