要するに、いま世界で起こっていることは・・・
①冷戦の終結とIT発展
↓
②多極化・グローバリゼーション
↓
③一部企業の巨大化、国家の弱体化
↓
④格差の拡大
↓
⑤移民排斥運動・差別感情(いまココ)
ということらしい。
いささか分かりやすさに過ぎる俯瞰かもしれない。単純すぎるだろうか?
いや、もはや冷戦の終結から30年ちかく経っているのだから、これくらいシンプルに俯瞰できなくてどうする、という気はしている。
とにかく、トランプ現象、イギリスEU離脱、日本のネトウヨ現象、「日本すごい」、そして韓国や中国のことを悪くいうあの風潮、反知性主義・・・もはや、一言で説明できるだろう。
それは、格差の拡大が生んだ憎悪や苛立ちということだ。
本来ならば、次のようなチャートになって欲しかったのだ。
④格差の拡大
↓
⑤新しいリベラリズムの誕生
〈新しいリベラリズム〉って何やねん・・・。自分でも意味わからずに書いてます。
それは「大きい政府か小さい政府か?」と問われたら、大きいほうなるんだろうけど、でも、そんな「新しい国家像」なんて大それたものは僕にはよくわからない。
ただ、僕が大事だと考えることの一つは、「格差というのは不幸」ということだと思う。
人間にとって、貧しい(物質的に所有できない、消費できない)ことは必ずしも不幸とはかぎらない。不幸を感じるのは、不平等を感じたときにだと思う。
たとえば、とある先進国が大きな格差をもっており、とある発展途上国が格差のすくない社会をもっているとする。その先進国に住む低所得層家庭と、その発展途上国に住む中流家庭では、どちらが「幸せ」を感じることができると言えるだろうか? 前者のほうが高い所得があり、物価の違いもこえて高い生活水準をもっているとしても、「幸せ」なのは格差の少ない後者のほう、と考えるのはもはや少数意見ではないだろう。
だから、いわゆる新自由主義・トリクルダウン理論なんていうのは、(そもそもトリクルダウンは起こらないという議論もあるのだが、それ以前の問題として)「格差そのもの」が「悪」なのだと、僕は強く思う。
格差は「幸せな社会」への布石とはならない。「豊かな社会」へさえ役にたたない。格差は経済成長を促すことも無いばかりか、人々の心を蝕んでいくだけだ。
いま、世界の風潮、いや歴史は、あきらかにこういった古い考え方(格差社会を是とする新自由主義経済、および資本主義そのもの)を否定していく方向に進んでいる。
そんなわけで、要するに、その〈新しいリベラリズム〉と僕が勝手に呼んだものが確立されるのが先か、格差が生む差別感情の爆発が先か、そういう問題なんだろう。
* * *
大統領選挙をあさってに控えたアメリカでは、オバマは去り、サンダースは破れた。
日本に住むぼくたちは何をすべきか?
アメリカと違って、僕たちにはまだ日数がある。とにかく、民進党や共産党や社民党を、〈新しいリベラリズム〉の観点から、厳しく批判しながら、激しく応援すること・・・ではないだろうか。