音楽と関係ある度:★★★☆☆の最近のブログ記事

修飾語

 
音楽と関係ある度:★★★☆☆


先に載せた吉田ルイ子の本における"Black angel"という言葉に関連して、すこし書いておきたいテーマがあります。


1997年に1ヶ月ほどアメリカを旅行したとき、ジョージア州アトランタで知り合った奴がいて、「Black churchに連れて行ってくれ」と相談すると、「よし、俺が、Black churchとWhite churchを、名前だけでどうやって見分けるか教えてやろう」といって、電話帳をもってきた。「教会」の欄で、地元の教会の一覧をみて、彼のいうところの「見分け方」というのを伝授いただいた。

黒人教会というと「パプティスト派」が有名だが、名前に"Baptist"と書いてあるからといって黒人教会とは限らないらしい。
その「見分け方」というのはまた今度。

結局、その週末、「リョウは音楽を聴きたいんだろ? いい音楽やってるっていう噂の教会があるから行ってみよう」ということで、それで一緒に出かけて行った教会が、"Shrine of the Black Madonna(黒いマドンナの寺院)"というところだった。例によって牧師のとても長い説教や、なかなかオーセンティックなゴスペルが聴くことができて、とても良かった。牧師は「アフリカに農地を買って、そこに移住しよう」という話をずっとしていた。

その教会には、祭壇に、床から高い天井までとどく、とても大きな聖母マリアの絵が奉られていて、そのマドンナは黒人だった。それから、もちろん赤ん坊(イエス=キリスト)も黒人だった。

さて、なにが書きたいのかというと、"the Black Madonna"という名前に関しての疑問。
つまり、「形容詞+名詞」というかたちで修飾しているのだけれど、それだと「一般的にはマドンナは黒人ではないのだが、うちのマドンナは黒人です」という意味になりはしないか、ということ。
ここはひとつ、"Shrine of Madonna"とか"Madonna's Shrine"という教会の名前にして、訪れてみるとその聖母マリアは黒人だった、というほうが、意味がとおるのではないだろうか。

(いわゆる「限定用法」「叙述用法」というような問題。どっちにしても同じではないかと僕は思うのだが、、、???)

(あたりまえだが、音楽と非常に関係があって重要なので、このことを書きたかった。
たとえば「ファンキー」という言葉。「この曲、めっちゃファンキーやん!」などと誰かが言えば、僕は「ということは、アンタはファンキーじゃない音楽も聴いてるということやな?」などと思ってしまうのだ。そういう意味。)





CDできた

 
音楽と関係ある度:★★★☆☆


オーサカ=モノレールの新作『ステイト・オブ・ザ・ワールド』のCDが僕の手元にも届きました! (発売は8/10)
いやあ、これだけ一生懸命つくったアルバムの完成物を手にすると感慨ひとしおです。

たくさんの方にお世話になりましたが、エンジニアの小菅さん、それから最後に頑張ってくれたドラゴンとハヤトくんありがとうございました。心より感謝です。

ブックレットには、たくさんの写真と、一生懸命書いた、ちょっと長文の解説(プロダクションノート)も入っていて読み応えあるかと思います。テーマは「ファンクに未来はあるのか?」というものです。是非ご一読ください。


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ヘッドフォン

 
音楽と関係ある度:★★★☆☆


Black Belt Jones DC 近藤くんがデザイナーをしている「Reversal」と、FOSTEXとのコラボレーションによりヘッドフォンができました。
ブラジリアン柔術のヘッドフォンや。面白いなあ。いまはそういういろんなヘッドフォンが求められてるということやんな。



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Groove とは何か

 
音楽と関係ある度:★★★☆☆

「グルーヴ」という言葉がある。FUNKミュージックやその周辺に魅せられた人なら誰でも多くの思いを込めてこの言葉を使う。しかしこの言葉は定義がそれほど確かでないようだ。英語では「このグルーヴって、演奏してるの誰?」とか「じゃあ俺、いまからラップを録音するから、グルーヴをプレイバックしてください」というように使うみたいだ。「バックトラック」というのとほぼ同義。
英語の本来の意味は、「溝(みぞ)」という意味だ。特に、アナログ・レコードで針がすすむ「わだち」を指してよく使われる。つまりこの言葉は、「決まった型があって、ひとたびその型にハマれば、あとは自動的に進むことができる、というもの」。それが「グルーヴ」。

ひょっとして

 
音楽と関係ある度:★★★☆☆

"Get Up Offa That Thing" - James Brown (1976)

ブラウン不調の1970年代後期モノだが、この曲だけ、とびきりに盛り上がっている。「CD of JB II」というコンピレーションのほうを聴いていたら、尺は4分10秒。たしか、メルヴィン=パーカーの目茶苦茶にかっこいいドラムソロが曲のあとのほうであったハズと思い、アルバムのほうを聴いてみた。
アルバムバージョンは、同じテイクなのだが、9分以上もあって、どんどん盛り上がる。AメロもBメロも何も無しで、どんどん行く。ドラムソロとベースソロ(スウィート=チャールズ)のあともまだまだ盛り上がる。最後の最後までいってもフェイドアウトする。
ひょっとして、今もまだマイアミで演っているのでは...?


立体音響 on "BAD"

 
音楽と関係ある度:★★★☆☆

立体音響がふたたび盛り上がりを見せているらしい(?)。
謎が多いことで有名なズッカレリ博士の立体音響テクノロジーが、マイケル=ジャクソンの『BAD』(1987)で使われているのはよく知られている。しかし、実際にどの曲のどの音で使われているかは、あまり知られていないと思う。「Speed Demon」のイントロのバイクの「ブーーン」という音が有名だが、これだけではない。僕が聴いたかぎりでは、明らかに下記のところで、立体音響が使われていると思う。

・I Just Can't Stop Loving Youのイントロのしゃべり
・Liberian Girlのイントロのしゃべり
・Smooth Criminalのイントロのハアハア声

もっとあると思う。ボーカルはすべて立体録音なのではないかという気さえしてくるのだが。

トークイベントへ

 
音楽と関係ある度:★★★☆☆

夜7時から渋谷アップリンクファクトリーへ。トークイベントを見に行った。第一部は映画『ソウル・パワー』について、第二部はコンゴのアーティスト「スタッフ・ベンダ・ビリリ(9月から来日予定)について、というコンゴ/キンシャサつながりでのトークイベントだった。司会はピーター・バラカンさん。それから、キンシャサに詳しいお二人、JICA(国際協力機構)職員の飯村学さんとフォトジャーナリストの酒井透さんが、とても興味深い話をされた。とくに第二部はとても内容のあるトークイベントだった。

第一部は映画『ソウル・パワー』をハイライトで観るのが中心だった。もちろん僕は字幕をやったので既にさんざん観ていたのだけれど、劇場(?)で観るのは初めて。大勢の人に混じって観ると同じ映画でもすこし違ってみえる。僕のツボではなかったところで笑いがおきていた。それは映画の冒頭で、ジェイムズ・ブラウンがマッシュドポテト(足を地面にこすりつけるような仕草のダンス)を踊るところ。





第二部は、ヨーロッパで話題のコンゴのグループ「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の来日にちなんで、キンシャサという都市(とその音楽)の事情を紹介。コンゴ/キンシャサの混乱は想像を絶するところであるとのことだった。キンシャサに発着するフランス航空の便はあるが、乗務員が入国したがらないないので飛行機はそのまま隣のブラザヴィルに行ってしまうそうだ。

ご存知のように、コンゴ民主共和国は、欧米諸国(そして日本も含む)の食い物にされる道をたどってきた国。「キンシャサの奇跡」はその真ん中で演じられた喜劇だった。モブツ大統領は居なくなったが、彼とて傀儡なのであって、本当の敵が姿を表すまでは解決の糸口は見えてこない。

スタッフ・ベンダ・ビリリとは、9月に共演の予定です。




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