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「Revolution Will Not Be Televised」についてギルスコットヘロンのインタビュー。(動画:1分16秒)
インタビュアー:かつて60年代に「革命はテレビ放送されない」と歌っておられましたよね。それでは、現在1990年代、やはり今でも「革命はテレビ放送されない」のでしょうか?
GSH:あのフレーズ〈革命はテレビ放送されない〉で言いたかったことは、つまり、変革が起こるとき、一番最初の段階としては、それは頭の中で起こる、ということなんだ。頭のなかで変革が起こらない限りは、暮らしや人生が変わることはあり得ないだろ。だから、〈革命はテレビ放送されない〉っていうのは・・・その何かが人々を変える。その何かというのは、どうやってもフィルムに撮影することは出来ないものなんだ。それは、普段から目にしているものを前にしながら、ある日、突然に気付くんだよ。〈あっ、オレはいままで違うページを開いてたぞ!〉とね。または〈ページはあってたけど、違う音符を弾いてたぞ!〉とかね。
そして、この国でいま何が起きてるのかということについての正しく理解するためには、全員がシンクロしていかなくちゃいけないって気付くんだよ。
アメリカにあって、本当の意味で一番しぶといアメリカ人といえるのは、もしかしたら俺たち黒人だけかもしれない。俺たちは必要なプロセスを一つ一つ、辿ってこなくちゃならなかった。他の人達はそういう過程をスッとばしてる。俺たちは、行進をやった。聖書の教えにしたがってきた。旗を掲げてきた。たくさんの裁判もした。アメリカの黒人は「アメリカで生まれた」というだけではアメリカ人として認められなかったわけだ。アメリカで生まれたにも関わらず、当然の権利を持っていなかった。それを勝ち取るために、闘わなくてはいけなかった。段階を一つずつ経て、困難を乗り越えてきたのが俺達なんだ。
歌詞すべての翻訳はこちらです。
「革命はテレビ中継されない」(ギルスコットヘロン、1970年)
当の歌詞と、このインタビューでギルスコットヘロンが言っていることを、この数ヶ月かんがえています。
インタビューの前半(「全員がシンクロしていかなくちゃいけないんだ」まで)について書いてみます。
・革命は映像化できない。
・革命は伝送できない。
これはつまり、
・映像化できるようなものは〈革命的〉ではない。
・伝送できるようなものは〈革命的〉ではない。
と言っているようにも聞こえます。
耳が痛い・・・。この時代において、そう感じるのは僕だけではないと思います。
現代のコミュニケーションは、真の、価値の交換を生んでいるでしょうか。
当初は、魔法の杖のような文明の利器と思われたインターネットでしたが、いまや、憎悪や反知性主義の増幅装置として機能しているようにも見えます。
移民・難民への憎悪、他民族・他宗教への憎悪。または、存在さえしないもの(これは、たとえば「反日勢力」神話のことや、陰謀論やトンデモ理論とか)への恐怖・憎悪・信奉。
感性・感情だけが増幅されて、理性や、本当の知識・教養・科学というものは、お手軽な〈情報の束〉または〈欲望増幅装置〉を前にして吹き飛ばされてしまった、と断罪してしまうと大袈裟でしょうか?
革命というのは、価値や認識の転換ということです。
自分の持っている認識がひっくり返る、ということに他なりません。
そのためには、自分が行きたいサイトに行き、見たい映像だけ鑑賞し、読みたいブログだけ読み、GoogleやFacebookやTwitterが選んでくれた、コマーシャリズムのなかで浮遊する情報ばかりに目を通して、ポチッと押したい本だけ買っていては、当然ながら革命は有り得ないのでしょう。
「革命はテレビ放送されない」の意味を考えるにあたって、ギルの言っているポイントは三つかなと思います。
・革命は映像化できない。(映像としては従来の日常と変わらないものである)
・革命は目の前〈ライブ〉で起こる。(いかなる技術をもってしても、遠くへ伝送できない)
・頭の中で変化が起こる。その変化を共有して、正しい現状認識となる。
上記の要件をクリアする〈革命〉とはどのようなものか?
ようやく、僕としては、革命の何たるかが、ぼんやりと理解してきたような気分になっているところです。
どっこい、それは、いま何度も書いているように、ここで「ブログ」なんていう安いメディアでは、たやすく伝送できないことは既述のとおりなんですけど。(また今度書く!)
以上が、このインタビューの前半についての僕の考えたことです。
さて、それではギルはこのインタビューの後半(「アメリカにあって、本当の意味でアメリカ人といえるのは・・・」)において、何を言っているでしょうか? ぜひ、よく読み返して(聞き返して)もらえたら嬉しいです。
革命というのは具体的に表現することはできないわけですが、もし彼が言う革命を簡潔に説明できるととすれば、それは「プロセスを経ること」ということであり、その「プロセス」というのを具体的に表すとすれば、それは一言で表現できます。それは「March」です。
しっかり教えてあげましょう
自分で道を歩むことができるよう
内にある素晴らしい持ち物のことを
本人たちに気付かせてあげましょう
つらい時でも乗り越えられるよう
自信を持たせてあげましょう
大人は 笑う子どもたちの姿をみて
子供時代を思い出しましょう
世間では英雄が求められている
尊敬する人がいるのはいいことだけど
私は目標にする人物を見つけられなかった
頼れる人がいなくて孤独だった
それで自分自身に頼ることにしようと
他人の影をふむ人生は歩むまい
ずっと小さかった頃にそう決心しました
そのほうが 物事がうまくいっても行かなくても
自分が信じた人生を歩んだことになる
騙されても傷つけられても
自分の尊厳だけは誰にも奪えない
最も偉大な愛 それがいま生まれる
最も偉大な愛 それは私の中にある
最も偉大な愛 それは簡単にうみだせる
最も偉大な愛とは、自分を愛せるようになること
I believe the children are our future
Teach them well and let them lead their way
Show them all the beauty they possess inside
Give them a sense of pride
To make it easier Let the children's laughter
Remind us how we used to be
Everybody's searching for a hero
People need someone to look up to
I never found anyone who fulfilled my needs
A lonely place to be
So I learned to depend on me
I decided long ago
Never to walk in anyone's shadow
If I fail, if I succeed at least I'll live as I believe
No matter what they take from me
They can't take away my dignity
Because the greatest love of all was happening to me
I found the greatest love of all inside of me
The greatest love of all is easy to achieve
Learning to love yourself is the greatest love of all
*この記事は〈翻訳編〉〈解説 前編〉と合わせてお読みください。
1989 is the number. Another summer. (Get down!) Sound of the Funky Drummer. Music is hitting your heart cause I know You Got Soul. (Brothers and Sisters!)さあ1989年 また夏がやってきた(〈踊ろうぜ〉)〈ファンキードラマー〉のビートにのせて この曲が君の心に響いたら〈君にもソウルがある〉って証拠だぜ(〈ブラザーズ&シスターズ!〉)
Listen if you're missing, y'all. Swinging while I'm singing, giving what you're getting, knowing what I know while the Black band is sweating and the rhythm rhymes rolling.大事なことを言うから オレの話を聞いてくれ これはただの歌じゃなくて 抗議行動なんだ タメになること伝えるし オレの知ってる限りで話すから 黒人のバンドってものは汗水たらして リズムとライムでノッていくさ
Got to give us what we want! Got to give us what we need!Our freedom of speech is freedom or death. We got to fight the powers that be.Fight the power! Fight the power! We've got to fight the powers that be!本当に欲しいものを勝ち取らなきゃ 本当に必要なものを勝ち取らなきゃ オレたちにとって言論の自由は 生きるか死ぬかの問題なんだから 権力を握っている連中と闘わなければならない皆で叫ぼう「権力と闘おう!」「権力と闘おう!」「権力を握る者どもと闘わねばならない!」
さて、ここで大きな問いです。日本に住む僕たちにとって〈言論の自由〉は、チャックDが言うように「生か死か」でしょうか? 言論の自由(表現の自由)を失うことは、あなたにとって「死」に匹敵する問題といえるでしょうか?
実は、これこそが、僕がわざわざ、この長たらしいブログを書いている理由です。これは重要な問いです。戦後生まれの僕たちは〈表現の自由〉を失ったことがありません。
言論の自由というのは、「表現の自由」のいち形態または同義と考えてよいでしょう。表現の自由とは何でしょうか? それが意味するものはーーーことばを始めとして、考えうるすべての伝達手段が権力によって制限されてはいけない、ということです。文章、声、歌、音楽、絵、写真、映像、舞踊、造形、等々ありとあらゆる形態が考えられます。最も重要なものは〈言葉〉でしょう。それは、新聞やテレビや書籍、教科書や日記、ブログやツイッターすべてを指しています。
僕は、「表現の自由」について考える機会は、それほど多くなかったかも知れません。あまりにも当たり前のものとして享受していたからです。その〈翼〉の大切さを、もう一度ふかく噛み締めないといけない時代がやってきたようです。
ちなみに、しばしば、週刊誌が芸能人のゴシップ記事について名誉毀損で訴えられるようなケースで、よく「表現の自由」が言われます。こんなものは「自由」の履き違い(というか勘違い)の最たる例でしょう。自由とは「権力から制限されない」という意味なのですから、訴えられている週刊誌にも「表現の自由」があることなど明白です。表現の自由とは「何を言っても(書いても)、誰からも何も言われない」という意味ではありません。ゴシップ記事を書かれて名誉回復を求める側にも同じく「表現の自由」があるからです。
本当の〈表現の自由〉とは何か・・・。それが失われたとき何が起こるか。どうやったら守ることができるか。それを真剣に考えねばならない時代がやってきたと思います。このミュージックビデオのテーマである、デモ・集会の自由も、日本においては「憲法21条 表現の自由」によってのみ、保障されています。たったの70年前には、表現の自由(集会の自由や言論の自由)は大きく制限されていました。つい四年前に自民党がつくった「憲法改正草案」を見てください。どのような恐ろしいことが書いてあるか、ご自身の目でぜひ確かめてください。
憲法改正草案 自民党憲法改正推進本部ホームページ)
*第21条(表現の自由)だけでも良いので是非よんでください。
As the rhythm is designed to bounce; what counts is that the rhymesdesigned to fill your mind now that you've realized the pride has arrived.リズムトラックもいいノリを出してるが 大事なのはリリックのほうで 君の頭に浸透するように書いたよ もう分かってるだろう 黒人が誇りを持つ時代の到来だぜ
We got to pump the stuff to make us tough from the heart. It's a start, a work of art. To revolutionize, make a change. Nothing's strange.黒人の尊厳を育てるんだ そしてタフな心を養っていこう まだ始まったばかりだ これは思うほど簡単じゃないぞ 革命化を実行するため 物事を変えていこう どんどんやっちゃおうぜ
People, people, we are all the same; No, we're not the same cause we don't know the game.〈みなさん みなさん〉人類はみな同じです! いやいや まだ同じじゃないだろ だって同じ土俵にあがっていないんだから
What we need is awareness; we can't get careless. You say, "What is this?" My beloved, let's get down to business. Mental self-defensive fitness.オレたちに必要なのは「目覚めること」 つまり無関心ではダメだ アンタは「何のこっちゃ?」って言うかもしれないが...... 親愛なる同胞たちよ そろそろコトに掛かろうではないか 自己防衛の精神的訓練だ
Yo! Bum Rush The Show! You gotta go for what you know. Make everybody see in order to fight the powers that be. Let me hear you say, "Fight the power!" "Fight the power." We got to fight the powers that be!〈おいみんな! 一気に突っ込むぞ〉 自分の知識が頼りだぞ 皆を目覚めさせて闘わなきゃ オレたちは権力を握る者たちと闘わなければならないのだ 「権力と闘おう!」「権力と闘おう!」「権力を握る者どもと闘わねばならない!」
Elvis was a hero to most but he never meant shit to me. You see straight up racist that sucker was simple and plain. (Motherfuck him and John Wayne!)エルヴィスプレスリーは国民の英雄らしいけど オレにとってはカスほどの意味も無いし ヤツは完全な差別主義者だったのさ(あのクソ野郎と それからジョンウェインもな)
Cause I'm Black and I'm proud. I'm ready and hyped plus I'm amped. Most of my heroes don't appear on no stamps. Sample a look back. You look and find nothing but rednecks for 400 years if you check. "Don't Worry Be Happy" was a number one jam. Damn, if I say it, you can slap me right here.だってさ オレは〈ブラック&プラウド〉だから いつでもOKだし マイク片手にアクセル全開だぜ 切手に描かれる人物は オレの尊敬する人だったためしが無い 調べてみたらわかるだろうけど アメリカ400年の歴史で切手になってるのは白人野郎ばかり 去年は〈心配ないさ 気楽にいこう〉なんていう歌がチャート一位になってたけど もしオレがそんな曲を歌うことがあったら この顔をひっぱたいてくれ
(Let's get this party started right!) Right on, come on!What we got to say, "Power to the people!" No delay. To make everybody see, in order to fight the powers that be!さあ これから騒ぐぞ (本当のパーティーを始めよう)その通り! 合い言葉は?「すべての権力を人民に!」それも今すぐ 皆を目覚めさせて 知らせよう オレたちは権力を握る者たちと闘わなければならないのだ「権力と闘おう!」「権力と闘おう!」「権力を握る者どもと闘わねばならない!」
* この記事は〈翻訳編〉〈解説 後編〉と合わせてお読みください。
パブリックエネミーの「Fight The Power」は、スパイクリーの映画『DO THE RIGHT THING』のためにつくられた曲でした。タイトル曲でもあり、劇中でも繰り返し流れます。例の「ラジオラヒーム君」がビッグサイズのラジカセでこの曲を流しながら街を歩き回ります。「パブリックエネミー」という名前さえ劇中に登場します。
このミュージックビデオもスパイクによって監督されました。その姿も、何度かビデオに映っています。冒頭の「Playback!」という声もスパイク。
このビデオがつくられたのは1989年。ニューヨーク市ブルックリンでした。
そして、30年ちかく経った2016年、遠く太平洋を挟んだ日本に生きる僕たちと、このメッセージが、直球ストライクでつながっているように思えます。それで、わざわざこうして「解説」を書いてみることにした次第です。
というのも、このミュージックビデオのテーマが、ずばり「デモ・集会」だからなのです。
「曲」のほうのテーマは三部構成に分かれます。それも追って詳しく見て行きます。

* * *
このニュースのどこが「ダメ」なのか、分かるでしょうか?
この原稿のほぼすべて一言一句が猛烈にダメなのです。たとえば、冒頭の一文「リンカーンが奴隷を解放してから百年にあたる今年・・・」というのさえ「ダメ」なのです。いろんな声が聞こえてきそうです。「黒人が〈自由〉になって100年・・・どの口が言う?」「まだ黒人を奴隷と思ってるのか?」「まだ本当の奴隷制の歴史は終わってないぞ」「〈解放したこと〉ばかり言いやがって、〈奴隷にしたこと〉の話はしないのかよ」という様々な声が、僕の耳には聞こえてくる気がします。・・・どうでしょうか。
いずれにせよ、キング牧師を中心とした公民権運動は、襲撃やリンチや放火が行われていた当時の「今」を扱っているのですから、「リンカーンから数えて何年目か?」なんて、まったくナンセンスでしょう。ワシントン大行進は奴隷解放宣言100周年を「記念」しておこなわれたものですが、そんなの、ただの盛り上げるための戦術です。なんだかめでたいことのようにアナウンサーが言うのはオカシイのです。「百年経ってもこの惨状」という意味にしかならないのです。そういう文脈ではないことは明らかです。
最も屈辱的な部分はこの一文でしょう。「ワシントンD.C.を訪れた人が大人数すぎて、ビールも買えなくなってしまいました」。まるで大行進の参加者が、ビールを飲んでお祭りでもやったかのような印象操作です。
そして最後は、バカバカしくも「(デモが行われているので)民主主義は健全です!」というアメリカ合衆国賛美で締めくくります。民主主義が実現されていないから行進をやっているのに。

さて、時代は四半世紀ほど飛びまして、われらがチャックDの登場です。僕は当時の反応を詳しく知りませんが、このチャックDの言葉が論争をよんだことは想像にかたくありません。世紀の偉人・キング牧師の行進のことを「ナンセンス」とこきおろしているのですから。誰だって耳を疑うことでしょう。
「何様! ヒップホップとかラップとかいうアホの音楽をやる小僧が、キング牧師を侮辱しているぞ。けしからん!」という論調が、少なからずあっただろうと思います。
しかしそれは違うでしょう。チャックDは、キング牧師の偉大な足跡はもちろんのこと、三百年の歴史、とくに1950年代後半から現代までに起こったことは良く知ったうえで発言しているでしょう。1989年のチャックDにとっては、「黒人問題」というのは「現在の問題」であり「自分自身の問題」なのですから、「四半世紀前、キング牧師というエラい人がいて、こういう戦術をとった」というのは過ぎ去った歴史的な事実であって、学ぶことは当然ながら、むしろ、それを乗り越えなければならない責務を負っているわけです。
まさに今日 クラックで死んでいく人がいる、今日 警官に撃たれる人がいる、今日ギャングになって撃ち合いをやっている子供が居る。どうやってそれに立ち向かうのか。・・・そういうことじゃないでしょうか。
キング牧師の戦術はもう古い。新しい世代は違う方法で闘わなければならない。そして、それは、1989年の今、拡大しつづけているヒップホップという新しい音楽と強くシンクロしている、それが彼のメッセージです。
キング牧師のとった戦術は、ガンジーに倣った〈非暴力主義(無抵抗主義)〉による〈座り込み〉や〈行進〉でした。
その思想・戦術は、公民権法の制定(1964年)などの大きな成果をあげました。しかし、ベトナム戦争激化やワッツ暴動を経て、1960年代後半には「時代遅れ」と見なされるようになっていきました。
それでは、チャックDが「現代のアプローチ」として提唱しているものは何でしょうか。
彼がこのビデオで挙げているものは、下記の三つです。
・セミナー(Seminars)
・記者会見(Press conferences)
・抗議集会(Straight-up rallies)
それぞれを確認していくことにします。まず一つ目の〈セミナー〉です。日本語で言うと〈勉強会〉というような感じでしょうか。辞書ではおよそ下記のように掲載されていました。
Seminer [noun] 1. A conference or other meeting for discussion or training. 2. A class at a college or university in which a topic is discussed by a teacher and a small group of students.
【セミナー】[名詞] ①議論や訓練を行う集まり。②大学における授業。一人の教師と何名かの生徒が、一つの議題について議論する。
どうやら、講師がしゃべり続けるのではなく、講師の指導のもとで参加者(生徒)が「議論する」というのがアメリカ式のようですね。
つぎに〈記者会見〉です。これは、まあお馴染みですよね。
Press conference: An interview given to journalists by a prominent person in order to make an announcement or answer questions.
【記者会見】 一人の中心人物が記者団とおこなう面接のこと。何かを発表したり、質問に答えたりする。
そして、最後です。"Straight-up rallies" と言っていますので、〈直接抗議集会〉とでも訳したら良いのでしょうか。
Rally [noun]: A mass meeting of people making a political protest or showing support for a cause.
【抗議集会】[名詞] 何らかの主張についての、政治的抗議をするため、または賛成表明するため、大人数が集まること。
そんなことですので、キング牧師の「March」と、チャックDの「Rally」が本質的にどう違うのか?・・・を知りたいところですね。米語版ウイキペディアから、部分的に翻訳します。
https://en.wikipedia.org/wiki/Demonstration_(protest)
https://en.wikipedia.org/wiki/Protest#Forms_of_protest
〈デモンストレーション〉または〈街頭抗議〉とは、多人数の団体(ひとつの団体、または、ある程度の人数の団体が複数)が、政治的主張を目的として行動をとること。通常、大行進または集会の形態をとる。行進の場合は、集合場所またはスタート地点が決められる。集会の場合は、スピーチを行なって参加者が聴く。(中略)
[形態について]
デモンストレーションには多くの型が存在する。細かな違いも多くありうる。下記はその代表的なもの。
・Marches(行進)......行列をなして、決められた道程を進みながら政治主張を行う。
・Rallies(集会)......大勢の人が集まり、演説や音楽演奏をきいたりする。
・Picketting(ピケ).....ある場所(主として職場)のまわりを取り囲んで、人が通れないようにする。(以下略)
また、ほかには、Sit-in(座り込み)、Vigil(キャンドル集会)、Civil disobedience(市民的不服従)、Ceremony(式典、祭り)などがあると他ページに列挙されていました。
上記により分かることは、「March」も「Rally」も、意義のうえで大きな違いは無いということです。そうなってくると、Straight-up という言葉が肝心ということになるでしょう。日本語でいうと「マジで」「ガチで」という意味。
つまり、どういうデモが「Straight-up rally」であって、 どういうデモがそうでないのか? これが一番のテーマではないでしょうか。
「直接的に要求を訴えるデモ」または「直接的な政治力となるデモ」ということだと解釈したら良いでしょうか。
みなさんはどう思われますか?


* * *
さて、いよいよ〈後編〉では、「Fight The Power」の歌詞の研究にうつりたいと思います。
一つ目のヴァースは、導入部であり、音楽(ヒップホップ)と抗議行動、の関係について歌っています。
二番目のヴァースでは、本丸のメッセージが語られます。オレ達に一番必要なものは「Pride」と「Awareness」(人としての尊厳、それに目覚めること・関心をもつこと)だと言います。
そして三番目のヴァースでは、偽善的ヒーローや既存の権力(いわゆる「The Hype」)を糾弾します。そして、当時人気者だった同胞のボビーマクファーリンの悲劇的事例をあげて、真のメッセージを届ける新しい音楽=ヒップホップを讃えているという構造になっています。
それでは、〈後編〉で詳しく歌詞の内容を説明したいと思います。
(つづく)