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2017年10月21日 ダイバーシティーナイト
場所:大阪 東梅田 DO WITH CAFE

(その1から つづき)
なぜ、数多くある事例のなか、スライ&ファミリーストーンだけが「初の人種混合バンド」といわれているのか?ーーーということを説明してみたいと思います。
ええとですね、これについては、「初めての、黒人がロックを演奏するバンドだから」というような答えもアリなのかもしれません。
ただし、半分は正しいと思いますが、それほど正解ではないと思います。
スライ&ファミリーストーンはロックバンドではないからです。
リズム&ブルーズというかソウルに、ロックを取り入れたのは確かですけれども、あくまでリズム&ブルーズ、つまりいわゆる黒人音楽のバンドだと思います。

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さて、本筋にいきます。
そのためには時代背景を分かってもらわないといけないんです。
それでは次のスライドを見てください。
(読み上げる。)

5_pdfsam_ダイバーシティナイト.jpg
1960年代というのは「激動の時代」と言われています。
1960年代のアメリカというのは、ものすごく大きな「社会変化」が起こったんですね。
いろんな変革がおこりました。
音楽でいいますと、いま「ロック」と呼ばれているものが確立したのもこの時期ですね。
エレキギターを鳴らす長髪の若者、ビートルズがイギリスからやってきた。
ソウルと呼ばれる新しい黒人音楽がイギリスやアメリカの若者に受けた。
文化的には、ヒッピーと呼ばれる、若者の新しい価値観が登場した。
セクシャルレボリューションと言われていて、性表現の自由が格段にひろげられた。
ウーマンリブと言われる女性権利運動が起こった。
ゲイカルチャーの爆発はもうすこし後だと思いますが、ヒッピーやウーマンリブと大きく関係していると思います。
そして、いわゆる公民権運動があったのです。
そして、ベトナム戦争があった。
これがあったから、良くも悪くも、反戦を訴えた若者カルチャーが爆発したといえると思います。

さて、「公民権運動」の話をします。
あのキング牧師が主導した公民権運動です。
とにかく、1960年代の公民権運動というのは、おそらくみなさんが想像しているよりも、ものすごく重要で大きなムーヴメントだったんです。
アメリカ全体がひっくり返るような、一大運動だったんですね。

想像してみてください。南部の黒人というのは、アメリカの人口の数パーセント、ハッキリとは知らないんですが、5%から10%のあいだのはずです。
その人々が、白人専用の学校やホテルやレストランから立ち入り禁止だったわけです。
実質的な選挙権もありませんでした。
要するに、自由と民主主義の国・アメリカとしては「恥」の部分だったわけですね。
それを一気に違法にして前進をみたのが公民権運動です。

いわゆる公民権運動のスタートは、1955年からのアラバマ州モンゴメリーでの有名なバスボイコット運動です。
これから火がついて、キング牧師を中心として運動が大きくなっていったんですね。
キング牧師がとった戦略が良かった。それは「非暴力主義」という考え方だったんですね。
白人専用のレストランに座り込む。いわゆる「シットイン」という戦術です。
ここで殴られたり、ツバをかけられたりケチャップをかけられても、無抵抗で座り続ける。
デモや行進で警官に殴られても、殴り返さない。
こういう凄まじい写真や映像が伝えられて、黒人だけでなく、白人リベラル層の支持をとりつけることに成功しました。
そして、1963年8月のワシントン大行進がピークです。
20万人が参加しました。キング牧師が有名な「私には夢がある」という演説をしました。
これを受けて、翌年1964年、ついに「公民権法」が成立したのです。
ここまでの十年弱を、公民権運動と呼びます。

さて、当たり前ですが、歴史には続きがあるんですね。
1964年に成立した公民権法でしたが、しかし、それだけですぐにアメリカ全土の黒人の暮らしが上向くわけではありません。
キング牧師は、それに対する処方箋を持っていなかったんですね。無理もないことですが。
大きなぶり返しがきて、1965年の夏からは、暴動がくりかえし起こります。時代はどんどん変わるんですね。
とくに、ロサンゼルスで起こった「ワッツ暴動」というのがとても大きな暴動でした。
また、1965年には、マルコムXが暗殺されます。どんどん黒人社会に不安がひろがっていくんですね。
本当に短いあいだに、キング牧師の「非暴力主義」は、時代おくれとなっていったんです。

そこで登場したのが、ストークリーカーマイケルという青年でした。
彼は1966年ごろ、「ブラックパワー」という言葉をひろめて一躍有名になりました。
この言葉に込められた意味は、黒人は非暴力で訴えるだけではダメだ、経済力や政治力、そして武力を身につけないと前進できない、という訴えです。
そしてついに、1968年4月、キング牧師も暗殺されてしまいます。
あの非暴力主義のキング牧師までもが暗殺された・・・ということで大きな絶望が広がります。
もはや非暴力主義では闘えない、とつよく印象づけられてしまったのです。
そこで「ブラックパワー」や「ブラック イズ ビューティフル(黒い肌は美しい)」という言葉が大流行します。
黒人の政党・自警団である「ブラックパンサー党」も登場しました。これは自衛のための武装を肯定する主張です。
白人警官から殺されないように銃を手に取るリーダーたちが登場する。
「黒人は、自治権や独立国家を持つべきだ、という〈分離主義〉が説得力をもつ時代になりました。
白人層は、保守層もリベラル層も恐怖を感じる。
ですから、特に1960年代後半は、ふたたび「分断の時代」なんですね。

これが、スライ&ファミリーストーンが登場してきた時代の背景です。
だからこそ、スライのメッセージは強烈だったんです。
世の中のリーダーたちが、「黒人は美しい」「黒人は武装せよ」「黒人国家をつくろう」と言っている時代に、
スライは、「黒人も白人もアジア人も関係ない。ケンカをやめろ!」と言ったのです。
これが、「初の人種混合バンド」と言われた背景です。
そしてスライのメッセージは、多くの人に引継がれていきました。
アメリカでは、かつてのように「白か黒か」という単純な図式で語ることは少なくなったと思います。
「もちろんブラックはビューティフルだ。でも、肌の色なんて関係ない」
「大事なのは、個人個人が尊重されることだ」
「違いを認め合って、人種間のケンカをやめよう」
というような思想を広めたのは、スライの功績が、本当に大きいのではないかと思います。


・・・どうでしょうか?
今の時代にすこしだけ似ていると思いませんか。
今のアメリカは、八年間つづいたオバマ政権は、人種統合的なリベラルな雰囲気をつくったのですが、
ご存知のように、そのぶり返しといってよいでしょう、トランプ大統領が登場しました。
信じられないほどの破壊力で、アメリカの人種間に亀裂が入っていったと思います。
また「分断の時代」がやってきたのです。

このようにしてアメリカは、振り子のように、融和したり分断したり、を繰り返していると言われています。


さて、それでは、スライの音楽を聴いてみたいと思います。
「初のダイバーシティソング」です。
といっても、僕が勝手にそう決めつけているだけですが。
スライの歌を、「翻訳付き」で聴いてみたいと思います。

(その3へつづく)


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2017年10月21日 ダイバーシティーナイト
場所:大阪 東梅田 DO WITH CAFE


えー、みなさん、こんにちは。
オーサカモノレールの中田といいます。すんませんが、宜しくお願いします。
今日はですね、〈ダイバーシティー〉について、なんかしゃべってくれということで。
大きなお題をいただいて困っているのですが、僕なりに頑張ってみようと思います。
何をしゃべっていいのやら。
でもまあ、僕はですね、そもそも、いちおう、アメリカの黒人音楽といわれるものに憧れていまして、 昔、子供のころは、「黒人になりたい」なんてアホなことを考えていたんです。
言うまでもないことですが、それは不可能ですし、そんなことを言ってはイケナイんですけれども。
でも、僕にとっての〈入り口〉ということやったんですね。
みなさんはどうですか、なにか「違うもの」になりたいとか思ったことはありますか。
それは可能でしょうか?
そこにどんな問題が含まれているでしょうか?

さて、それでは本日の予定をみてください。
(読み上げる。)

1_pdfsam_ダイバーシティナイト.jpg こんな感じでいきたいと思います!
時間が足りるかどうか分からないんですが。

それでは一番からいきます。

クイズです。「史上初のダイバーシティーバンド」なんですけれども。
さて、誰のことでしょう?
・・・まあ、明確な答えというのは無いんですけど。

 「カルチャークラブ。」

おっ、そういう答えがありましたか。僕はあまり考えていなかったんですが。そうですよね。代表的な人ですよね。

 「Pファンク。」

ああ、いい線ですねえ、ちょっと違うんですけれども。むしろPファンクの元ネタのような人なんですけど。
他にありませんか?
プリンスはどうですか? まあプリンスはバンドではないですけどね。
はい、では、僕の答えはこの人たちです。

2_pdfsam_ダイバーシティナイト.jpg

僕の答えは〈スライ&ファミリーストーン〉です。1966年に結成されたサンフランシスコのバンドです。
1967年にレコードデビューです。そのアルバム二枚目、三枚目くらいで世界を大きく変えた伝説のグループです。
たとえばプリンスは明らかにスライを下敷きにしていると思います。僕はプリンスのことまったく詳しくないんですけども。

彼らのどこが「ダイバーシティー」なのか分かりますか?
これは、まず人種、つまり肌の色ですね。
黒人と白人が一つのバンドで演奏している、ということです。
本当にこれは画期的なことで、当時、無かったことだったんです。
「史上初のインターレイシャルバンド(人種混合バンド)」と言われています。
それだけではありません。このバンドには男も女も居るんです。それもポイントです。
七人中のうち二人が女性なんです。ひとりはローズというスライの妹のピアニストです。
もうひとりはシンシアという色の薄い黒人の女性で、強烈な声で叫んだりして、激しい個性のトランぺッターです。
それから、髪型やファッションにも注目してください。おかしな髪型ばかりなんですね。
ヒッピーファッション、アフロヘア、それにシルバーのウイッグ・・・。アゴひげ。
「黒人がヒッピーで何が悪いねん」
「白人がファンキーな音楽やって何が悪いねん」
「女がトランペット吹いて何が悪いねん」
と言っているように見えるわけです。

だから、スライ&ファミリーストーンは、その構成・編成そのものが、自由の街・サンフランシスコから世界へ向けた大きなメッセージだったんですね。
「黒人も白人も仲よく生きろ」とか、
「女も男も、世の中に大きな声を出して行け」とか、
というようなことですね。
それから、「若者の音楽やファッションを受け入れろ」っていうのも大事だったでしょう。

ちゅうわけで、スライ&ファミリートーンが、世界初のダイバーシティーバンドということです。
といっても、もちろん、いろんな視点があるので、あくまで一つの説ですけどね。
ぜひ覚えといてください。

さて、それでは、もうすこし深く掘り下げたいと思います。
僕はいま、「史上初の人種混合バンド」であったと言いました。
本当にそうでしょうか?
白人と黒人が音楽を一緒に演奏することがそれほど珍しかったのでしょうか?
あのアメリカで、そんな単純な話ではないんですね。
たとえば、この人達はどうでしょうか?

3_pdfsam_ダイバーシティナイト.jpg

〈ブッカーT&MGズ〉です。このバンドは1960年代前半に登場したバンドですが、リーダーのオルガン奏者・ブッカーTさんとドラムのアルジャクソンさんは黒人なのですが、ギターのスティーヴクロッパーとベースのダックダンは白人なんです。それでソウルミュージックを演奏したんです。
この人達のほうがよっぽど前なんですよね。
他にももちろんあります。
まあ、ちょっと違うジャンルで、あくまで一例ですが、ジャズの世界から、これはどうでしょうか。

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マイルズデイヴィスのクインテットです。これの写真は1950年代末です。ピアノがビルエヴァンスという白人なのです。まあ、在籍期間はアルバム一枚の録音だけなので、ものすごく短いですが。
そのほかにも、キャノンボールアダレイのクインテットのジョーザビヌルとか。
当たり前ですが、ジャズの世界にはたくさん白人のプレーヤは居ます。
そしてレギュラーバンドのなかで演奏していた人も多いです。

そんなわけで、1950年代でも、1960年代前半でも、黒人のバンドで白人が演奏している例はいくらでもあると思います。
そんななか、スライ&ファミリーストーンが「初の人種混合バンド」と、わざわざ謳われているのは一体どういうわけなのでしょうか・・・ということを説明してみたいと思います。

(その2)へつづく。




NUCLEAR WAR(サンラ、1982年)

 
"NUCLEAR WAR" by Sun Ra Arkestra, 1982



核戦争、
かくせんそう、
核戦争、
カクセンソウ。

核戦争ってのがあるらしい。
核戦争ってのがあるらしい。

核戦争って知ってっか?
  こいつはマザーファッカーだぞ
核戦争って知ってっか?
  こいつはマザーファッカーだぞ

ボタンを押したら
  アンタのケツもオサラバ
ボタンを押したら
  アンタのケツもオサラバ

核戦争ってのが来るらしい
  (核戦争ってのが来るらしい)
核戦争ってのが来るらしい
  (核戦争ってのが来るらしい)

ボタンを押したら
  アンタのケツもオサラバ
ボタンを押したら
  アンタのケツもオサラバ

空高く、
吹っ飛んで、
ケツに顔を突っこみ、ハイおしまい。

空高く、
吹っ飛んで、
ケツに顔を突っこみ、ハイおしまい。

核戦争ってのが来るらしい
  (核戦争ってのが来るらしい)
核戦争ってのが来るらしい
  (核戦争ってのが来るらしい)

放射能、
染色体異常、
放射能、
染色体異常、

大爆発、
火あぶり、
原子爆弾、
原子爆弾。

ボタンを押されたら
アンタのケツもオサラバ

ボタンを押されたら
アンタのケツもオサラバ

おい、タイロン、言ってやれよ・・・
(マザーファッカーだぞ 覚悟しとけ!)
(マザーファッカーだぞ 覚悟しとけ!)

アンタどうする?
奴らにタマ握られてんだぜ

アンタどうする?
奴らにタマ握られてんだぜ

お前 知ってっか?
核戦争てのはマザーファッカーだぞ

お前 知ってっか?
核戦争てのはマザーファッカーだぞ

空高く、
吹っ飛んで、
ケツに顔を突っこみ、ハイおしまい。

放射能がきて、
つぎに染色体異常。
放射能がきて、
つぎに染色体異常。

核戦争ってのが来るらしい
  (核戦争ってのが来るらしい)
核戦争ってのが来るらしい
  (核戦争ってのが来るらしい)



Nuclear war
Nuclear war
They're talkin' about nuclear war
Nuclear war
Nuclear war
They're talkin' about nuclear war.

It's a motherfucker, don't you know
They're talking about nuclear war
They're talking about nuclear war
It's a motherfucker, don't you know
It's a motherfucker, don't you know
If they push the button your ass gotta go
It's a motherfucker, don't you know
If they push the button your ass gotta go.

They're talking about nuclear war
They're talking about nuclear war.

If they push the button your ass gotta go
They're talking about nuclear war
They're talking about nuclear war
If they push the button your ass gotta go
If they push the button your ass gotta go.

It'll blast you so high in the sky
Gonna blast you so high in the sky
You can kiss your ass good-bye
You can kiss your ass good-bye
You can kiss your ass good-bye.

If they push the button
If they push the button
Gonna blast your ass so high in the sky
You can kiss your ass good-bye, good-bye
You can kiss your ass good-bye, good-bye
You can kiss your ass good-bye, good-bye.

If they push the button
If they push the button
If they push the button
If they push the button
You can kiss your ass good-bye, good-bye
You can kiss your ass good-bye, good-bye.

They're talkin' about nuclear war
They're talkin' about nuclear war.

Radiation
Mutation
Radiation
Mutation
Radiation
Mutation
Fire
Fire
Atomic bomb
Atomic bomb.

Kiss your ass good-bye
If they push that button
If they push that button
It's a mother fucker, don't you know
It's a mother fucker, don't you know.

If they push that button
If they push that button
Your ass gotta go
Your ass gotta go
It's a motherfucker, don't you know
It's a motherfucker, don't you know
Tell'em about it, Tyron...

(It's a motherfucker, don't you know!)
(It's a motherfucker, don't you know!)

If they push that button your ass gotta go
What you gonna do?
They got your ass
What you gonna do?
They got your ass.

If they push that button your ass gotta go
So what you gonna do?
They got your ass
Oh what you gonna do?
They got your ass
If they push that button
If they push that button
You can kiss your ass good-bye
You can kiss your ass good-bye
Good-bye.

They're talking about nuclear war
They're talking about nuclear war
Mutation
Radiation
Mutation
Radiation
If they push that button
If they push that button
Radiation
Next, mutation
Radiation
Next, mutation.

They're talking about nuclear war
They're talking about nuclear war.


"Santa Claus Go Straight To The Ghetto" by James Brown, 1968



 
サンタクロース
まっさきにゲットーに向かっておくれ
トナカイを急がせて
まっさきにゲットーに向かっておくれ
サンタクロース
まっさきにゲットーに向かっておくれ
靴下あるだけ全部 いっぱいに詰めて
子供たちは心から喜んでくれるだろう

ジョンくんにはオモチャを
メアリーちゃんにはお人形を
ドニーくんには何かカワイらしいものを
ゲイリーくんのことも忘れないで

サンタクロース
まっさきにゲットーに向かっておくれ
サンタクロース
まっさきにゲットーに向かっておくれ

ジェイムズブラウンからのお願いだ
まっさきにゲットーに向かっておくれ

そこで出会う子供たちは
かつてのオレなんだ

母親たちが待っている
子供たちが待っている

サンタクロース
まっさきにゲットーに向かっておくれ
サンタクロース
まっさきにゲットーに向かっておくれ

靴下あるだけ全部 いっぱいに詰めて
子供たちは心から喜んでくれるだろう
靴下あるだけ全部 いっぱいに詰めて
子供たちが
本当に必要としている

だからお願いだ サンタクロース
まっさきにゲットーに向かっておくれ
もし尋ねられたら
ハンクバラッドから頼まれたと言ってくれ

サンタクロース
まっさきにゲットーに向かってくれ
まったくオレらしくないよ
目に涙を浮かべて歌うなんて

サンタクロース
まっさきにゲットーに向かってくれ
オレのぶんは要らない
オレはもう十分もらったから

サンタクロース
まっさきにゲットーに向かってくれ
サンタクロース
黒人の子供たちが心待ちにしてるから
サンタクロース
ジェイムズブラウンから頼まれたと言ってくれ



Santa Claus, go straight to the ghetto
Hitch up your reindeer
And go straight to the ghetto
Santa Claus, go straight to the ghetto
Fill every stocking and you find
The kids are gonna love you so.

Leave a toy for Johnny
Leave a doll for Mary
Leave something pretty for Donnie
And don't forget about Gary.

Santa Claus, go straight to the ghetto
Santa Claus, go straight to the ghetto
Tell them James Brown sent you
And go straight to the ghetto
You know that I know what you will see
Beause that was once me.

Hit it, hit it!
You see mothers
And soul brothers.

Santa Claus, go straight to the ghetto
Santa Claus, oh Lord, go straight to the ghetto
Fill every stocking you find
The kids are gonna love you
Fill every stocking you find
You'll know that they need you so
I'm begging you, Santa Claus, go straight to the ghetto
If anyone wanna know
Tell them Hank Ballard told you so.

Santa Claus, go straight to the ghetto
Never thought I'd realize
I'd be singing a song with water in my eyes
Santa Claus, go straight to the ghetto
Don't leave nothing for me
I've had my chance, you see?

Santa Claus, go straight to the ghetto
Santa Claus, the soul brothers need you so
Santa Claus, tell him James Brown sent you.


"What's Happening Brother" by Marvin Gaye, 1971



よお もしもし
知らせがあるんだ
オレもうすぐ帰れるぜ!
なあ言った通りだろ
戦争ってのは地獄だぜ
この戦争いつまでやるつもりだ?
早いとこ またみんなで楽しくやりたいよ
本当に状況は良くなるのかな?
もうすぐ変わるって新聞は言ってるけど
そんなことより
みんな どうしてるんだい?
教えてくれよ!


 やあ
 仕事は見つからないし
 求人も出てないぜ
 フトコロは かつてないほど厳しいよ
 ほんと 意味がわかんねえよ
 この国は 一体どうなってるんだ?
 どうなってるんだろう なあ兄弟
 どうなってるんだろう なあ親友。


あの店は まだ盛り上がってるかい?
オレたちが踊りにいってたクラブさ
アメフトはどうなんだ?
今年は勝てそうなのか?
なあ教えてくれよ
そもそも お前はどうしてんだよ
近頃は何が流行ってんだい?
もう時代遅れになったものは?


いまは何がイケてるんだい?
みんな どうしてるんだい?
最新情報を教えてくれよ
一体どうなってるんだい?
一体どうなってるんだい?

なあブラザー 一体どうなってる?
街じゃ何が流行ってるんだい
教えてくれよ
オレはちょっと 時代に取り残されてたんでね・・・。



Hey baby, what you know good?
I'm just getting back, but you knew I would
War is hell...when will it end?
When will people start getting together again?
Are things really getting better, like the newspaper said?
What else is new my friend, besides what I read?

Can't find no work, can't find no job, my friend
Money is tighter than it's ever been
Say man, I just don't understand
What's going on across this land
What's happening, brother?
What's happening?
What's happening, my man?

Are they still getting down
Where we used to go and dance?
Will our ball club win the pennant?
Do you think they have a chance?
And tell me friend, how in the world have you been?
Tell me, what's out and I want to know what's in?

What's the deal, man?
What's happening, tell me brother?
What's happening, brother?
What's happening, brother?
What's happening, my man?
What's happening, brother?
Say man, what's happening, brother?
What's been shakin' up and down the line?
I want to know 'cause I'm slightly behind the time.



マーサ・ハイ物語(番外編)


今回は〈番外編〉として、僕の独断で選ぶ、マーサハイを知ってもらうための動画集をお送りします。

50年以上に及ぶ、マーサの輝かしい音楽活動で、どの時期がもっとも充実していたでしょう・・・それは、70歳を超えた「今」だろうと僕は思います。
ジェイムズブラウンやメイシオパーカーの楽団員として、本当に素晴らしい活躍をしてきた彼女でしたが、21世紀にはいってから、ソロ活動がますます充実している今が一番輝いていると思います。


*****マーサハイ、ソロステージ傑作選!*****

"FIRE SHUT UP IN MY BONES"
2017年3月、仏サンテティエンヌ市でのライブ。バックを務めているのは、2016年のマーサのアルバム『SINGING FOR THE GOODTIMES』のプロデュースを手がけたイタリアのグループ〈Italian Royal Family〉です。



次に紹介するのは、2011年の映像。メイシオパーカーのバンドメンバーとして世界中を飛び回っていたころのマーサです。(2000-2015年在籍。)トロント公演の「THINK (ABOUT IT)」です。



1979年、マーサの初ソロアルバム『MARTHA HIGH』(JBプロデュース Salsoul)から、イチ押しトラック「Showdown」を演奏する貴重な映像です。
演奏はもちろん、JBズ(当時は「JB'sインターナショナル」と呼ばれていました)です!


このビデオは、1989年、JBバンドのメンバーや元メンバーが行った再会コンサート(独TV)に出演したときのマーサです。(この頃はメイシオもまだブレイクしていなかった!)



もうひとつ、最近の、2016年の映像をどうぞ。
ジェイムズブラウンの死後、バンドメンバーたちが再結集してヨーロッパを中心に廻っています。最近はフレッドウェズリーが正式に公認したので「The JB's」という名前でライブをしています。みなさん、これからもお元気で!



次は、つい去年の2016年にリリースされたPV。
最近のイチ押し曲、「Hardest Woking Woman In Town」です。



いかがでしたか? まあ、Youtubeですので、伝わらないもんも大きいですが・・・。 でも、最近のマーサハイの映像を観ていただいて、これからのマーサハイを応援していただけたらと思っています。

それでは、現場でお会いしましょう!
(「マーサ・ハイ物語」はまだまだ続きます。)
マーサのパワフルなステージを楽しみにしていてください!

楽しみましょう!!!


マーサ・ハイ MARTHA HIGH
『TRIBUTE TO MY SOUL SISTERS』発売記念 JAPANツアー
 with オーサカ=モノレール
 10月4日(水曜日)大阪梅田・シャングリラ
 10月5日(木曜日)代官山・UNIT
  オープニングアクト:BOOGIE TRAIN feat. MARU & Hiro-a-key
 10月7日(土曜日)朝霧高原・ASAGIRI JAMs
 10月8日(祝前日)"IN BUSINESS" CLUB ASIA(渋谷)
  出演:黒田大介、DJ JIN、MURO、Ultimate 4th、Black Belt Jones、ドミンゴ企画




マーサ・ハイ物語(第四回)


 マーサがフォージュエルズのメンバーとなって、最初の大きなコンサートは、かのハワード劇場でした。ジェリーバトラー&インプレッションズとセオラ キルゴアが一週間出演していたので、そのオープニングアクトを務めたのです。1962年のことです。
 ところが、ちょうどその週は、高校の卒業式と、その予行演習をおこなう週でした。マーサは、卒業式に出席して卒業証書の授与をうけることができなかったそうです。
 それでも、マーサに気持ちに迷いはありませんでした。これから、音楽の道を歩むことを固く決心していました。

 フォージュエルズは、まもなく〈ジュエルズ The Jewels〉に改名し、地元で人気の女性ボーカルグループとして、キャバレーやナイトクラブ、それから大学のパーティにひっきりなしに出演しました。北西地区14丁目にあった〈バードランド〉が一番有名なクラブでした。

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The Jewels:中央上マーサ、右 グレース ラフィン、左 サンドラ ベアーズ

 そしてもっと大きな場所、ワシントンDCのハワード劇場、バルチモア市のローヤル劇場、フィラデルフィア市のアップタウン劇場が、主な活動場所になってゆきました。
 この時代のどのアーティストでもそうですが、全国区で有名になる前には、自分の地元にやってくる数々の有名アーティストのオープニングアクトを担当するのです。
 オープニングをやったアーティストをあげるときりがないそうです。グラディスナイト&ピップス、テンプテーションズ、リトルアンソニー&インペリアルズ、ドリフターズ、キャデラックズ、ルビー&ロマンティックス、ジーンチャンドラー、ベイビーワシントン、マクシーンブラウン、フリップウィルソン、メイジャーランス・・・などのショーのオープニングをやりました。

 マーサ達は、こういったアーティストのショーを見たり、仲良くなったりして、ショーや音楽のワザ、人生訓を学んでいきました。とくに仲の良かったのは、ドリフターズのジョニームーア、グラディスナイト&ピップスの各メンバー、そしてテンプテーションズのポールウイリアムズでした。

 そんななか、当時はとても人気のあった〈ソウルシスターズ The Soul Sisters〉という、日本でいうとピーナッツのようなカッコいい女性二人組のオープニングアクトもやりました。すると、そのマネージャーだった通称・スモーキージョーという人物が、ジュエルズのマネジメントを申し出ました。

 その彼は正式にマネージャーとなり、ニューヨークの〈ディメンジョン〉レーベルとの契約をとってきて、「Opportunity」という歌をもってきました。この歌は、大ヒットとなり、1964年、ビルボードチャートの64位、さらにロサンゼルスのラジオチャートでは2位を記録しました。


 面白い逸話としては、この曲をマーサたちに稽古をつけてくれたのが、のちにP-FUNKで大成功をおさめることになるジョージクリントンだったそうです。スモーキージョーがジョージクリントンと同じでニュージャージー出身だったので、おそらくそのコネクションなのでしょう。ジョージは(モータウンで働く前に)そのレーベルから仕事をもらって働いていたんですね。
 ディメンジョンは、あのキャロルキング&ジェリーゴフィンのレーベルでした。

 ジュエルズは、ディメンジョンでシングルをもう一枚だします。オープニングショーだけでなく、自分たちでのショーも行うようになっていきました。


 そうして、人生の転機が訪れます。
 ある日、ハワード劇場に出演していたときのこと、客席が騒々しくなって、大きな歓声や叫び声が聞こえました。「あれ、私たちの歌がウケたのかしら?」と思いましたが、そうではないことが分かりました。客席のなかにジェイムズブラウンがまじっていて、劇場の観衆は、ジェイムズブラウンを見つけて叫んでいたのでした。ようやく彼が席につくまで、歓声がおさまりませんでした。

 1965年ことです。当時のジェイムズブラウンは、間違いなくソウルミュージック界のトップの座を誰にも譲らない人気歌手で、「ソウルブラザー ナンバー1」「ミスターダイナマイト」「Mr.プリーズプリーズプリーズ」「キング オブ ソウル」と称していました。ジャズとR&Bの両方を演奏できる超一流のミュージシャンの豪華バンドを従えて、誰にも真似のできない最先端の音楽を演奏していました。
 どのR&B界のアーティストも、バンド無し、または3〜4人の小編成バンドを連れて巡業(チトリンサーキット)していた時代に、ジェイムズブラウンだけは、20人近いオーケストラと、何組もの他のアーティストやダンサーを引き連れて、目の眩むような、まるでサーカスの一座のようなショーをアメリカ全土で行っていたスーパースターでした。

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 そのショーのあと、楽屋にやってきたジェイムズブラウン。その髪型や服や靴を見て、マーサたちは息が出来ないほど大興奮したそうです。ジェイムズブラウンは、なにか言葉を発するたびに、鏡を覗き込んで自分の髪や服を確認しながらしゃべったそうです。「とてもいいショーだったよ」と言われて、メンバーで大喜びしたそうです。

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 数ヶ月後、ジュエルズはニューヨークのアポロ劇場に出演していました。そのとき、ふたたび同じことが起きました。客席で大きな歓声が起こったのです。やはりジェイムズブラウンが観に来ていたのでした。
 そのとき、アポロ劇場の楽屋で「どうかね、オレのレヴューに参加してみないか?」と言われました。
 マーサの頭のなかは大混乱になったそうです。・・・「ツアーにでたら、一体どれくらいのお給料をもらえるのかしら?」「一体どんな場所へ行くのでしょう?」「お母さんやお父さんは、ツアーに出るのを許してくれるかしら?」
 恐怖も感じていました。「この世で最高のショーの一員になるなんて、私たちで務まらなかったら
どうしよう!」
 当時ジュエルズは上り調子だったとはいえ、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントン、などの東海岸を廻っていただけです。同じ音楽/ショービジネスの世界とはいえ、まったく規模が違います。マーサたちにとっては、未知の世界に踏み入る決断をする必要がありました。

 1965年、マーサが20歳のときのことでした。


(第五回へつづく)

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