2021年6月アーカイブ

HIGER GROUND by STEVIE WONDER, 1973



人々よ 学びつづけるがいい
 兵士よ 殺しつづけるがいい
  地球よ 回りつづけるがいい
    ちかいうちに終わりがくる

政府よ ずっと嘘をついていろ
(国民が命を落そうが構うもんか)
   地球よ 回りつづけるがいい
    ちかいうちに終わりがくる

 最初からやり直せるんだ ありがたいこった
 前回地球に住んだ時には 世界が罪だらけだった
 すこしずつ賢くなってく ありがたいこった
 何度だって、やり直そう 最上界にたどりつくまで


教師よ 教えるがいい
 牧師よ 説教するがいい
  地球よ 回りつづけるがいい
   ちかいうちに終わりがくる

恋人たち 愛し合うがいい
 信じられるだけ 信じるがいい
    眠れる者よ 眠りから目覚めよ
       ちかいうちに終わりがくる

 最初からやり直せるんだ ありがたいこった
 前回地球に住んだ時には 世界が罪だらけだった
 すこしずつ賢くなってく ありがたいこった
 何度だって、やり直そう 最上界にたどりつくまで

 最上界にたどりつくまで
 誰にも邪魔させるな
 最上界にたどりつくんだ
 奴らが足をひっぱろうとする
 神が最上界を教えてくださる



People, keep on learning
Soldiers, keep on warring
World, keep on turning
'Cause it won't be too long

Powers, keep on lying
While your people keep on dying
World, keep on turning
'Cause it won't be too long

I'm so darn glad he let me try it again
Because my last time on earth I lived a whole world of sin
I'm so glad that I know more than I knew then
Gonna keep on trying
'Til I reach my highest ground

Teachers, keep on teaching
Preachers, keep on preaching
World, keep on turning
'Cause it won't be too long

Lovers, keep on loving
Believers, keep on believing
Sleepers, just stop sleeping
'Cause it won't be too long

I'm so glad that he let me try it again
'Cause my last time on earth I lived a whole world of sin
I'm so glad that I know more than I knew then
Gonna keep on trying
'Til I reach my highest ground

'Til I reach my highest ground
No one's going to bring me down
'Til I reach my highest ground
Don't you let nobody bring you down
They'll sho 'nuff try
God is gonna show you highest ground



Visions(スティービーワンダー 1973年)

 
"VISIONS" by Stevie Wonder, 1973




ひとは手を取り合って
とうとう約束の地へやってきた
憎しみは儚く消え 愛は永遠につづくーー
僕の頭の中に見えるだけだろうか?

法律が実現しなくたって
「ついに自由だ!」と信じられる時代
はるばるやってきた ここまでやってきたーー
僕の頭の中に見えるだけだろうか?

 おとぎ話をしてるんじゃない
 葉っぱは緑色で
 茶色にかわるのは秋
 本当のことしか言わないよ
 今日は昨日じゃなくて
 万事に終わりがある

でも、知りたいのは
そんな美しい国は存在するかということ
翼をつけて飛んで行こうかな
みんなで、頭のなかに見える世界へ

 おとぎ話をしたいんじゃない
 葉っぱは緑色で
 茶色にかわるのは秋
 本当のことしか言わないよ
 今日は昨日じゃなくて
 万事に終わりがある

でも、知りたいのは
そんな美しい国は存在するかということ
翼をつけて飛んで行こうかな
みんなで、頭のなかに見える世界へ


People hand in hand
Have I lived to see the milk and honey land?
Where hate's a dream and love forever stands
Or is this a vision in my mind?

The law was never passed
But somehow all men feel they're truly free at last
Have we really gone this far through space and time
Or is this a vision in my mind?

I'm not one who make believes
I know that leaves are green
They only turn to brown
When autumn comes around
I know just what I say
Today's not yesterday
And all things have an ending

But what I'd like to know
Is could a place like this exist so beautiful
Or do we have to find our wings and fly away
To the vision in our mind?

I'm not one who make believes
I know that leaves are green
They only change to brown when autumn comes around
I know just what I say
Today's not yesterday
And all things have an ending

But what I'd like to know
Is could a place like this exist so beautiful
Or do we have to take our wings and fly away
To the vision in our minds?





Too High(スティービーワンダー 1973年)

 
"TOO HIGH" by Stevie Wonder, 1973




ハイになっちゃった
やりすぎちゃった
それでも
この手が 空に届くわけもなく

ハイになっちゃった
やりすぎちゃった
それでも
この手が 空に届くわけもなく

 夢をみてる彼女
 四つ目のオバケがテレビに映ってる
 またひとつ吸って こう言う
 「こりゃあスゲエ場面だな」
 赤色はめっちゃ緑色で
 彼女はミカン

ハイになっちゃった
やりすぎちゃった
それでも
この手が 空に届くわけもなく

ハイになっちゃった
やりすぎちゃった
それでも
この足が 地面から浮くでもなく

ハイになっちゃった
やりすぎちゃった
もう
地面に降りたくないね

 彼女が住むところ
 そこは見せかけのパラダイス
 かつては幸せになれるチャンスもあった
 もはや無理だけど
 自分のせいでね

(間奏 ハーモニカ)

ハイになっちゃった
やりすぎちゃった
それでも
この手が 空に届くわけもなく

ハイになっちゃった
やりすぎちゃった
もう
苦しくて死にそうだ

 彼女は過去の人
 やっと分かってくれたみたい
 そして 今日どうなったか、知ってる?
 亡くなったんだって
 知り合いがこう言ってたよ:

「ハイになっちゃった」って
「やりすぎちゃった」って
「あれじゃ持たないよね」って。


I'm too high
I'm too high
But I ain't touch the sky
I'm too high
I'm too high
But I ain't touch the sky

She's a girl in a dream
She sees a four eyed cartoon monster on the T.V. screen
She takes another puff and says "It's a crazy scene"
That red is green
And she's a tangerine

I'm too high
I'm too high
But I ain't left the ground
I'm too high
I'm too high
I hope I never ever come down

She's the girl in her life
But her world's a superficial paradise
She had a chance to make it big more than once or twice
But no dice
She wasn't very nice

I'm too high
I'm too high
I can't ever touch the sky
I'm too high
I'm so high
I feel like I'm about to die

She's a girl of the past
I guess that I got to her at last
A did you hear the news about the girl today
She passed away
What did her friend say

They said she's too high
Too high
Can't hang around anyway...


音楽の空想

 
 ジェイムズブラウンの音楽というものを、まだ聴いたことがなかった高校生のころ、「〈ジェイムズブラウン〉っていう人の音楽って、こういう感じかな?」と妄想していた、そういうみじかい時期がある。(いまでも、その妄想はつづいているのだけれど。)
 音楽を聴いたこともないのに、なぜ妄想が始まったかというと、それは、名前だけを先に知ったからだ。奈良の学園前というところで母親の歯医者を待っているあいだ(それは重要ではないけれど)、歯医者のとなりにあった図書館に入り、そこで、音楽の本がならぶところで、マイルスデイヴィスに取材した本を手にとった。
 「オレはジェイムズブラウンのような音楽をやるんだ」とマイルスが記者に答えていた。それ誰だろう、となった。ひきつづいて、坂本龍一の対談集だったか何だったかを読んだ。そうすると、「世の中には、ボクのやるような音楽と対極に位置する音楽も存在しているわけですよね。たとえば、ジェイムズブラウンっていう人は、自分のコンサートで毎ステージ、あまりの自己陶酔で、さいごに卒倒してしまうらしい」とかなんとか、言うているのを読んだ。(うろ覚えです。)
 そういうわけで、へえ、そりゃあ凄そうだな、どんな音楽なのだろう、と思った。僕のなかで、まだ聴いたことのない〈ジェイムズブラウン〉という音楽への妄想はふくらんでいった。そして、その妄想はいまでも、ある。聴こえる。それがどんな聴き心地の音楽なのか、言葉で説明できたらいいけれども、簡単には説明できない。ただ、無理を押して書くなら、「ジェイムズブラウンという名前の、ものすごいエネルギッシュなおじさんが居て、そこらじゅうを飛び跳ねているような感じ」ということである。まあ、何も言っていないに等しいけれども。
 そこから三十年以上が経ったのだけれど、その妄想音楽とぴったり同じものは、いまだに耳にしたことがない。しかし、それに一番ちかいと云える曲が、たった一曲だけ、いちおう存在している。それはジェイムズブラウンの「It's Your Money$」という、よっぽどのファン以外は誰も気に留めていない曲なんである。
 だから、ジェイムズブラウンの録音物は星の数ほどあるにせよ、そのなかでも、その曲が僕の考える理想の音楽である。いや、それは言い過ぎ。「僕が勝手に妄想していた音楽に似ている」。いや、それだと話がちいさくなっちゃう。その妄想はまだ終わっていないから、「僕がいまだに妄想している音楽にかぎりなく近い」ということです。
 ところで、その曲のプロデューサーは誰なのかとか、参加ミュージシャンは誰なのかとか、録音された年はいつか、お芋を掘るときのつるみたいにたぐってゆけば、似たような曲がみつかるのではないかと、ふつうは考える。ところが、なんとこれが、一体だれがプロデューサで誰が演奏しているのか、いつ録音されたのか、歌詞を書いたのは誰か作曲したのは誰か、いまだに、まったくナゾの曲なのである。
 歌っているのはジェイムズブラウンなのだけれども、そして、この音楽は、明らかに、前からみても斜めからみても、「こりゃあジェイムズブラウンの音楽」「こりゃあジェイムズブラウンが率いているバンドの演奏」とわかるものだ。そういうファンクだ。ただし、「こんな曲は、ジェイムズブラウンの他のレコードをいくら探しても、ほかには無い」というものなのである。すくなくとも、僕の耳にはそう聴こえる。
 いちおう言うておくと、誰が聴いてもカッコいい曲かどうかは、わからない。僕の知る限り、世の話題になったことが一度もないという埋もれた曲であるので、これを読んでくださった人が聴いたところで、イイと思うかどうかは確信がない。でも、繰り返しになるけれども、とにかく僕が三十年以上妄想している雰囲気に限りなく近い曲は、これ一曲しかない。

 そんなことなのであるが、ここから衝撃の展開がある。もちろん、僕にとって衝撃なだけで、他の人にはつまらないことかもしれない。
 つい半年くらい前だったか、ものすごいジェイムズブラウンのマニアが居て・・・ってそりゃあまあ、世界中にいろんな人がいる。ジェイムズブラウンのファンと一口に言っても、ライブが好きな人、レコードが好きな人、写真が好きな人、リズム&ブルーズが好きな人やジャズが好きな人、歌が好きな人やダンスが好きな人、男の人や女の人、おじさんおばさん、おじいさんおばあさん、アメリカ人やヨーロッパの人や日本の人、オバマが好きな人やトランプ支持の人、60年代からライブに通っていた人、70年代や80年代からライブを観ている人、ヒップホップから来た人やらリズム&ブルーズが好きな人、もう、本当にいろんな人がいる。それぞれの切り口で、ジェイムズブラウンというものを愛して、楽しんでいる。  そういうファンの一人。僕がとてもシンパシーを感じているヤツがいるのだが、彼が、その曲「It's Your Money$」は、1980年のアルバム「Soul Syndrome」のアウトテイクだと思う、とぽつりと言った。たぶんそうじゃないかな、と言った。そいつもこの曲のことが好きだったのだ。
 僕は仰天した。
 ああ、なんでこんなことに気づかなかったんだろう! その通りだ。演奏をしっかり聴けばわかる。僕は、自分の思い込みと、よくわからないSEにまどわされて、ちゃんと自分の耳で演奏を聴いていなかったのだ。それとその「妄想」と。
(書くのがずいぶん遅れたけれども、その曲は、1989年の異色ヒップホップアルバム『I'm Real』におさめられていて、一番最後のほうに、ひっそりと収録されている。曲はいやらしいほどに派手な曲なんだが、それがゆえに居場所がなく、人が気づかないようなところにあるのだ。)
 僕はてっきり、打ち込みビートでアルバムをつくる際に、ジェイムズブラウンが、一曲だけオレのバンドの曲を入れろ、ってワガママを言ったのかな、と想像していた。だから、これは80年代後半のメイシオとスウィートチャールズが率いる「Soul G's」の演奏かなと思っていた。まったく違う。いわゆる「編集室の床におちていたテープ」ってやつだ。10年ちかく前の録音を、どこからともなく引っ張り出して、新たにボーカルとSEをオーバーダビングを施した曲だったのだ。だからこれは「ザ・JBズ・インターナショナル」の演奏だ。
 どこにも証拠はないけど、いちおう僕だって長年のJBファンだ。言われさえすれば、この仮説は正しいとすぐに分かる。それって、世界じゅうのJBファンは、みんな分かっていたことなのか? 彼は、「たぶんそうだろうなー」ってずっと考えてたらしい。早く言ってくれよ!
 そんなわけで結論が三つ。一つは、1980〜1981年あたり、冬の時代といわれている頃のジェイムズブラウンサウンドは、とっつきにくいかもしれないが、じつは、すごい。二つ目は、僕の妄想音楽は、やっぱり妄想音楽で、あるどこかの歴史の時点には存在しない音楽だったということ。最後に、この妄想は1990年代的な「リサイクル」っぽい発想から来ているということ。
 じゃあ、とりあえず、「妄想音楽のつくりかた」は、もう分かってきたやん。・・・そういうことになるのかもしれない。あくまで妄想。


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