マスクとスマホ。

マスク二枚でみんな怒っています。僕も怒り心頭です。
唐突かもしれませんが、マスク二枚で思うのは、これってスマホちゃうん・・・みたいな。
なんか、似ています。

映画『パラサイト』の冒頭で、スマホの電波をたぐっている兄と妹が描かれていました。
たいへんな貧困のなかにあっても、スマホは持っていて「世界とつながっている」「大量の情報を取得できる」。そういう環境が「整備」されている。・・・それは、僕たちがやったことではなく、誰かがありがたいことにつくってくれたインフラなのだ。
やっぱり思うのは、産業革命が貧富の差を生んだように、IT革命が貧富の差を生んでいるんだろう。

マスクを配っておけば、あとは自己責任で、みたいな。
スマホさえ行き渡っていれば、あとは自己責任で、みたいな。
つまり、収入がすくないときにそれは自分の責任だと思い込む。
本当は、一人一人の人間は、景気や経済政策など、個人ではたちうちのできない、さまざまな大きな要因のなかに生きているのに。
情報はある。だから、瞬発的に行動して収入につなげることのできない各個人がわるいのだと思っちゃう。
本当は情報なんて無いし、情報があってもどうしようもないことだらけなのに。
そこを悪用しているのが、ホリエモンとか橋本徹とか、そういうたぐいの輩だということです。
おれが教えてやるよ、とカモに拝金教みたいなのを広めている。

もちろん、スマートフォンを使っていることは悪くない。
僕もスマートフォンを持っています。
スマホに反対することとスマホを使用することは、矛盾しません。当たり前。 たとえて言えば、何パーセントかは原子力発電でつくられた電気を毎日つかっている人が、「原子力発電反対!」と訴える。
あ、そもそも、マスクの配給に反対しても、そのマスクを装着するのは反対していない。マスクを装着するのが悪いことであるはずがありません。

マスクはスマホだ。スマホはマスクだ。
そういえば、スマホを格安にしたのはスガ官房長官でしたか。同じような理屈でしょう。

でも、マスクに対しては、国民は怒っています。
当然です。あまりにもバカにされたもんだと。
いつか、人々がスマホに怒るときがくると思います。100年後くらいに、そういう時が来ると思います。
産業革命や都市化が貧富の差を生んだことを100年くらい経ってから怒ったように。
・・・もちろん、いま怒るべきだけと思うけど!


2020年10月

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