送料無料でキャッシュバック


セブンイレブンが大量に店舗を閉めることを決めたそうです。
コンビニ業界事情にくわしくはないけれど、ようするに競争過多なのでしょう。
あと、まあよーするに「不況」とか、あとは・・・。
都心であれば、数百メートルも歩けばコンビニにあたる。いや、数十メートルでもコンビニだらけです。

ところで、コンビニというものが登場したのはいつだったっけ。
僕は大阪に生まれて、そのあと奈良県平群町というところで少年時代の大半をすごしました。小学校の高学年(八〇年代半ば)に、近所にローソンができました。
朝七時開店で夜十一時閉店でしたが、そんな夜おそくまで開いている店が歩いてたった二、三分のところにある。それはなかなかの衝撃でした。

コンビニといえば、その数年後、中学一年生のときに、部活(サッカー)があまりに忙しいので、まったく遊ぶ時間がなくて、どうにかならないものかと考えたあげく、
「そうだ! 夜中に遊んだらいいのだ」
とマヌケなことを思い付いた。
計画をたてて、夜中の一時くらいに家を抜けだして同じサッカー部の友人と落ちあい、真夜中の県道を自転車で飛ばして二、三十分ほどのところにある「王寺駅」というところまで行った。そこに24時間営業のコンビニがあったから!
そうして、夜中の二時ごろに、お菓子やジュースをのんで家へ帰った。帰宅したのは三時ごろだったろう。
両親にはバレなかったので成功だったし、とてもワクワクした小さな冒険だったが、やったのは一度きりだった。そりゃそうだ。中学一年生の「夜遊び」。
何がいいたいかというと、八〇年代半ばには、24時間営業のコンビニは、五キロくらいさきの隣り町にしか無かったのです。
これを読んでいる方も、似たような思い出があるかもしれません。

とにかく、コンビニというものはそれくらいの時期に登場して急速に普及していったはずです。
セブンイレブンの一号店ができたのは1974年だそう。でも、日本人の生活にコンビニがなくてはならないものになったという転換点は九〇年ごろという実感。あまり使いたくない表現だけれども「平成から」ということになるでしょう。
あのころから、コンビニや自動販売機で「お茶」や「水」が売られるようになりました。ジュースと同じような値段で。それも奇異なことでした。

僕のいいたいことは、こういうことなのだ。
八〇年代におこった物流革命「コンビニ」によって日本は便利になったか?
たしかに便利になったと思える。でも問題は「そのあと」だ。
いったい何がおこったか。
消費ではなく労働のほうからも「便利」になった。
いまや、すぐ就ける仕事といえば真っ先に思い浮かぶのがコンビニのバイト。そうなって久しい。
コンビニは、労働の「便利」、つまりは労働の使い捨てをうんだ。
便利というのは、まわりまわって僕たちを蝕んでゆく。

いま、インターネットの時代となり、欲しいものがすぐ買えるようになりました。
ほとんどのものが「送料無料」です。
しかも明日に届けられるという。
当たり前のことですが、配送にだってたくさんの人が汗水ながして働いているのですから、送料が無料になるわけがありません。
売上金のなかから、うまく、僕なんかには知り得ない高度な計算式にのっとって個別だけをみると「送料無料」に見えるようにやりくりされているだけのことです。
そこまでは誰だって分かります。しかし話しはそこでおわらない気がする。
「タダほど怖いものは無い」と云われるからです。無料になった送料は二倍にして返さなくてはならないのです。

つまり、何が起こっているかというと、ほんの一つか二つの、「送料無料」を謳う企業たちが、さらに想像できないほど巨大化して何の歯止めもきかなくなってゆきます。そうして、モノの値段はますます安くなり、送料も「無料」になってゆきます。この巨大生物のせいで、日本の経済は縮小の一途をたどり、従来あった仕事はどんどん無くなってゆきます。
そうして「コンビニの便利さ」と同じことが起こる。
つまり、僕たちはこぞって、アマゾンの倉庫で働くかアマゾンの配達員さんになってあのときのお返しをするのだと思う。

インターネットの時代は、こんなのばっかりが僕たちに襲いかかる時代だと思う。

2024年6月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

月別 アーカイブ