政治家は「国を守る」というようなことを言います。
昨年2015年は、「国を守る」というフレーズをめぐって大激論が起きた一年でした。
一番の問題は、「国を守る」の「国」のなかに、僕は含まれていないであろうということです。
もちろんアナタも含まれていません。
家族や子供たちも、含まれていません。
信じられないかもしれないけれど本当です。
「国」というのは国民のことではなく、国家体制(政治体制や官僚機構)や領土を指しています。
たとえばベトナム戦争を見ればわかります。
北ベトナムへの爆撃の理由は「共産勢力の拡大を防ぐ」でした。
アメリカとベトナムなんて関係ないのに。
「ソ連が南下したらアメリカの威信に傷がつく」
それが「国を守る」です。
何故だか遠方のベトナムで、米兵数万人が死んだのです。
(ベトナム人は数百万人。)
たとえば太平洋戦争も同じです。
なぜ大きな太平洋を挟んだアメリカを相手に戦争する必要があったのだろう?
アメリカが攻めて来たわけでもないのに。
日米開戦の理由は、
「いつまで経っても中国に勝てないので、物資ルートを断つためと称して東南アジアに進軍した」
これにより日米関係が悪化し、外交で失敗して開戦になりました。
これを「国を守る」と呼んだのです。
日米戦争により、日本人は数百万人が死にました。
いま、また同じ過ち「国を守る」が繰り返されようとしています。
何故そのような非情なことが起こってしまうのだろう?
端的には、
・支持率をあげたい内閣
・チヤホヤされたい政治家
・視聴率をかせぎたいテレビ局(発行部数を増やしたい新聞)
・問題を大きくして予算を増やしたい省庁
・戦時に乗じて、商機を見いだす民間人
・気運に乗じて、影響力を拡大しようとするオジサン
などが元凶となります。
個々の欲望や感情が、組織やカネなどを媒体として〈増幅〉されることによって、戦争へ加速していきます。
(いまそれが進行中ということ。)
* * *
国家の暴走を防ぐために何をすれば良いでしょうか。
それには、僕たち一人ひとりが、市民として考えて、行動しなければならない。
僕たち市民が直接的に政治を行い、国家を操縦しなければならない。
・国家は暴走する。いま暴走している。
・僕たち市民は、国家の一部ではない。
・国家というのは、僕たちの一部なのだ。
〈市民〉と〈国家〉をごっちゃにしない。
もちろん〈日本文化〉や〈祖国〉と、〈国家〉もごっちゃにしてはいけない。
市民は政治に参加して、国家のハンドルを握っているのは僕たちだということを実感しよう。
そして、そのことを〈国家さん〉に理解してもらわないといけない。
7月10日は、戦後七十年でもっとも大事な国政選挙です。
それは与党およびその補完勢力が、三分の二議席を獲得して、憲法改正を発議しようとしているからです。
残念ながら、現代は「崩壊の時代」であると認識しています。
次のステップ「狂気の時代」に突入する前に、
最も有効な一票は何か。
一人ひとりが冷静に考え、行動しましょう。
残り二週間 頑張りましょう。