2016年6月アーカイブ

7月10日参議院選挙にあたって

 
政治家は「国を守る」というようなことを言います。
昨年2015年は、「国を守る」というフレーズをめぐって大激論が起きた一年でした。

一番の問題は、「国を守る」の「国」のなかに、僕は含まれていないであろうということです。
もちろんアナタも含まれていません。
家族や子供たちも、含まれていません。
信じられないかもしれないけれど本当です。
「国」というのは国民のことではなく、国家体制(政治体制や官僚機構)や領土を指しています。

たとえばベトナム戦争を見ればわかります。
北ベトナムへの爆撃の理由は「共産勢力の拡大を防ぐ」でした。
アメリカとベトナムなんて関係ないのに。
「ソ連が南下したらアメリカの威信に傷がつく」
それが「国を守る」です。
何故だか遠方のベトナムで、米兵数万人が死んだのです。
(ベトナム人は数百万人。)

たとえば太平洋戦争も同じです。
なぜ大きな太平洋を挟んだアメリカを相手に戦争する必要があったのだろう?
アメリカが攻めて来たわけでもないのに。
日米開戦の理由は、
「いつまで経っても中国に勝てないので、物資ルートを断つためと称して東南アジアに進軍した」
これにより日米関係が悪化し、外交で失敗して開戦になりました。
これを「国を守る」と呼んだのです。
日米戦争により、日本人は数百万人が死にました。


いま、また同じ過ち「国を守る」が繰り返されようとしています。


何故そのような非情なことが起こってしまうのだろう?
端的には、
・支持率をあげたい内閣
・チヤホヤされたい政治家
・視聴率をかせぎたいテレビ局(発行部数を増やしたい新聞)
・問題を大きくして予算を増やしたい省庁
・戦時に乗じて、商機を見いだす民間人
・気運に乗じて、影響力を拡大しようとするオジサン
などが元凶となります。

個々の欲望や感情が、組織やカネなどを媒体として〈増幅〉されることによって、戦争へ加速していきます。
(いまそれが進行中ということ。)

*     *     *

国家の暴走を防ぐために何をすれば良いでしょうか。

それには、僕たち一人ひとりが、市民として考えて、行動しなければならない。

僕たち市民が直接的に政治を行い、国家を操縦しなければならない。

・国家は暴走する。いま暴走している。
・僕たち市民は、国家の一部ではない。
・国家というのは、僕たちの一部なのだ。

〈市民〉と〈国家〉をごっちゃにしない。
もちろん〈日本文化〉や〈祖国〉と、〈国家〉もごっちゃにしてはいけない。

市民は政治に参加して、国家のハンドルを握っているのは僕たちだということを実感しよう。
そして、そのことを〈国家さん〉に理解してもらわないといけない。

7月10日は、戦後七十年でもっとも大事な国政選挙です。

それは与党およびその補完勢力が、三分の二議席を獲得して、憲法改正を発議しようとしているからです。

残念ながら、現代は「崩壊の時代」であると認識しています。
次のステップ「狂気の時代」に突入する前に、
最も有効な一票は何か。
一人ひとりが冷静に考え、行動しましょう。
残り二週間 頑張りましょう。
'I DON'T WANT NOBODY TO GIVE ME NOTHING - OPEN UP THE DOOR, I'LL GET IT MYSELF' by James Brown, 1969



オレは何も要らない
扉を開けてくれ 自分の力で手に入れる
誰からも施しは受けない
扉さえ開けてくれたら 自分で掴んでみせる。

人種融合は要らない 必要なのは真の人種交流だ
哀れみは要らない 必要なのは機会の平等だ
そうすれば明日から食って行ける
学校を建てろ 図書館をつくれ
そうすれば黒人の歴史を学んで 本当の黒人像を示すことができる。

オレは何も要らない
扉を開けてくれ 自分の力で手に入れる
誰からも施しは受けない 
扉さえ開けてくれたら 自分で掴んでみせる。

死にものぐるいで頑張っている者がいる
同情を買うためにやってるんじゃない
「黒人」ではなく「人間」になるためにやってるのさ
俺たちは今まで 汗を流し 血を流して
火事があれば鎮めて 川が氾濫すれば防いできた。

オレは何も要らない
扉を開けてくれ 自分の力で手に入れる
誰からも施しは受けない 
扉さえ開けてくれたら 自分で掴んでみせる。

俺達には能力が備わってる 自分の街で発揮していこう
しっかり頭を使って ゼロから興していこう
ただし ビジネスで成功しても同胞のことを忘れちゃダメだぞ
大切な人のこと忘れちゃダメさ。

 手に入れるぞ
 手に入れるぞ
 さあ来い
 
(メイシオパーカー ソロ)

オレは何も要らない
扉を開けてくれ 自分の力で手に入れる
誰からも施しは受けない 
扉さえ開けてくれたら 自分で掴んでみせる。

黒人の意見もいろいろだ
お互い争いはやめようぜ
ただ これから何をやるにしても
コミュニティーのためになることをやらなきゃな。

子供たち 教育を受けろ 落第するな
これから大仕事をやるんだぞ?
率先してできる人間になれよ。

もう一度 言うぜ
子供たち 教育を受けろ 落第するな
これから大仕事をやるんだ
率先してできる人間になれ。

オレは何も要らない
扉を開けてくれ 自分の力で手に入れる
誰からも施しは受けない 
扉さえ開けてくれたら 自分で掴んでみせる。

扉を開けてくれ!
扉を開けてくれ!
扉を開けてくれ!
扉を開けてくれ!


I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself
I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself.

I don't give me integration, give me true communication
I don't give me sorrow, I want equal opportunity to live tomorrow
Give me schools and then give me better books
So I can read about myself and gain my true looks.

I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself.

Some of us try as hard as we can
We don't want no sympathy, we just want to be a man
We've used our sweat and blood
To put out every fire and block every flood.

I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself

We got talents we can use on our side of town
Let's get our heads together and build it up from the ground
When some of us make money we forget about our people.
Forget about honeys, forget about honey.

Give it to me baby
Give it to me baby.

(Maceo Parker sax solo)

I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself
I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself.

I'm not gonna tell you what to do
I'm not gonna raise a fuss
But before you make another move
Let's start by taking care of us
I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself.

Kids, get that education and don't you make no fall
Cause we're gonna get this thing together
And you got to carry the ball
I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself.

Look here, good god, dig it
Kids, get that education and don't you make no fall
Cause we're gonna get this thing together
And you got to carry the ball
I don't want nobody to give me nothing
Open up the door, I'll get it myself.

Open up the door!
Open up the door!
Open up the door!
Open up the door!
SAY IT LOUD - "I'M BLACK AND I'M PROUD"
by James Brown, 1968



(君 カッコいいぜ さあ一緒に!)

みんなで叫ぼう  「僕は 誇りある黒人だ!」
声にだして言おう 「私は 誇りある黒人だ!」

みんなで叫ぼう  「僕は 誇りある黒人だ!」
声にだして言おう 「私は 誇りある黒人だ!」

近頃の黒人は 敵対心ばかりだと批判の声もあるが
勇敢だって言う声もある
だがオレに言わせりゃ
当然のものを手に入れるまでこの運動は止まらない、ってこと

オレたちは蔑まれ罵られてきた
生まれてこのかた 不当な扱いを受けてきた
人の顔には右目と左目がついてるだろ?
ブラザー それと同じくらい当然のことだぜ
分け前にありつくまで 前進するしかない

みんなで叫ぼう  「僕は 誇りある黒人だ!」
声にだして言おう 「私は 誇りある黒人だ!」

身体を張って いろんな仕事に就いてきた
でもその仕事はすべて 他人に仕えてばかりだった
これからの時代は 自分たちの社会のために働こう
壁に頭をぶちつけながら 他人様のために働くのはまっぴらだ

みんなで叫ぼう  「僕は 誇りある黒人だ!」
声にだして言おう 「私は 誇りある黒人だ!」

 君はカッコいいよ
 すごくイカしてるよ
 すごくタフだね
 とてもカッコいいよ

これからの時代は 自分たちの社会のために働こう
壁に頭をぶちつけながら 他人様のために働くなんてまっぴら
おっと もう一つ言うことを忘れてた
オレたちは人間だってこと 鳥や蜂のように自由な存在なんだ
ひざまずいて生きるくらいなら 立ったまま死ぬほうを選ぶさ

みんなで叫ぼう  「僕は 誇りある黒人だ!」
声にだして言おう 「私は 誇りある黒人だ!」

みんなで叫ぼう  「僕は 誇りある黒人だ!」
声にだして言おう 「私は 誇りある黒人だ!」


With your bad-self
Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"
Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"

Some people say we got a lot of melice
Some say it's a lot of nerve
But I say, we won't quit moving
Until we get what we deserve.

We've been 'buked and we've been scorned
We've been treated bad and talked about as sure as you're born
Just as sure as you take two eyes to make a pair
Brother we can't quit until we get our share.

Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"
Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"

I've worked on jobs with my feet and with my hands
But all the work I did was for the other man
Now we demand a chance to do things for ourselves
We're tired of beating our heads against the wall and working for someone else.

Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"
Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"

Ooo-wee You're killing me
Alright you're out of sight
So tough, you're tough enough
Ooo-wee You're killing me

Now we demand a chance to do things for ourselves
We're tired of beating our heads against the wall and working for someone else.
Look here, one more thing I got to say right here:
Now we're people and we're like the birds and the bees
We rather die on our feet than keep living on our knees. 

Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"
Say it loud, "I'm Black and I'm proud!"

「Revolution Will Not Be Televised」についてギルスコットヘロンのインタビュー。(動画:1分16秒)



インタビュアー:かつて60年代に「革命はテレビ放送されない」と歌っておられましたよね。それでは、現在1990年代、やはり今でも「革命はテレビ放送されない」のでしょうか?


GSH:あのフレーズ〈革命はテレビ放送されない〉で言いたかったことは、つまり、変革が起こるとき、一番最初の段階としては、それは頭の中で起こる、ということなんだ。頭のなかで変革が起こらない限りは、暮らしや人生が変わることはあり得ないだろ。だから、〈革命はテレビ放送されない〉っていうのは・・・その何かが人々を変える。その何かというのは、どうやってもフィルムに撮影することは出来ないものなんだ。それは、普段から目にしているものを前にしながら、ある日、突然に気付くんだよ。〈あっ、オレはいままで違うページを開いてたぞ!〉とね。または〈ページはあってたけど、違う音符を弾いてたぞ!〉とかね。

そして、この国でいま何が起きてるのかということについての正しく理解するためには、全員がシンクロしていかなくちゃいけないって気付くんだよ。

 アメリカにあって、本当の意味で一番しぶといアメリカ人といえるのは、もしかしたら俺たち黒人だけかもしれない。俺たちは必要なプロセスを一つ一つ、辿ってこなくちゃならなかった。他の人達はそういう過程をスッとばしてる。俺たちは、行進をやった。聖書の教えにしたがってきた。旗を掲げてきた。たくさんの裁判もした。アメリカの黒人は「アメリカで生まれた」というだけではアメリカ人として認められなかったわけだ。アメリカで生まれたにも関わらず、当然の権利を持っていなかった。それを勝ち取るために、闘わなくてはいけなかった。段階を一つずつ経て、困難を乗り越えてきたのが俺達なんだ。


歌詞すべての翻訳はこちらです。

「革命はテレビ中継されない」(ギルスコットヘロン、1970年)


当の歌詞と、このインタビューでギルスコットヘロンが言っていることを、この数ヶ月かんがえています。

インタビューの前半(「全員がシンクロしていかなくちゃいけないんだ」まで)について書いてみます。


 ・革命は映像化できない。

 ・革命は伝送できない。

これはつまり、

 ・映像化できるようなものは〈革命的〉ではない。

 ・伝送できるようなものは〈革命的〉ではない。

と言っているようにも聞こえます。


耳が痛い・・・。この時代において、そう感じるのは僕だけではないと思います。

現代のコミュニケーションは、真の、価値の交換を生んでいるでしょうか。

当初は、魔法の杖のような文明の利器と思われたインターネットでしたが、いまや、憎悪や反知性主義の増幅装置として機能しているようにも見えます。

移民・難民への憎悪、他民族・他宗教への憎悪。または、存在さえしないもの(これは、たとえば「反日勢力」神話のことや、陰謀論やトンデモ理論とか)への恐怖・憎悪・信奉。

感性・感情だけが増幅されて、理性や、本当の知識・教養・科学というものは、お手軽な〈情報の束〉または〈欲望増幅装置〉を前にして吹き飛ばされてしまった、と断罪してしまうと大袈裟でしょうか?


革命というのは、価値や認識の転換ということです。

自分の持っている認識がひっくり返る、ということに他なりません。

そのためには、自分が行きたいサイトに行き、見たい映像だけ鑑賞し、読みたいブログだけ読み、GoogleやFacebookやTwitterが選んでくれた、コマーシャリズムのなかで浮遊する情報ばかりに目を通して、ポチッと押したい本だけ買っていては、当然ながら革命は有り得ないのでしょう。


「革命はテレビ放送されない」の意味を考えるにあたって、ギルの言っているポイントは三つかなと思います。


・革命は映像化できない。(映像としては従来の日常と変わらないものである)

・革命は目の前〈ライブ〉で起こる。(いかなる技術をもってしても、遠くへ伝送できない)

・頭の中で変化が起こる。その変化を共有して、正しい現状認識となる。


上記の要件をクリアする〈革命〉とはどのようなものか?

ようやく、僕としては、革命の何たるかが、ぼんやりと理解してきたような気分になっているところです。

どっこい、それは、いま何度も書いているように、ここで「ブログ」なんていう安いメディアでは、たやすく伝送できないことは既述のとおりなんですけど。(また今度書く!)


 以上が、このインタビューの前半についての僕の考えたことです。

 さて、それではギルはこのインタビューの後半(「アメリカにあって、本当の意味でアメリカ人といえるのは・・・」)において、何を言っているでしょうか? ぜひ、よく読み返して(聞き返して)もらえたら嬉しいです。
 革命というのは具体的に表現することはできないわけですが、もし彼が言う革命を簡潔に説明できるととすれば、それは「プロセスを経ること」ということであり、その「プロセス」というのを具体的に表すとすれば、それは一言で表現できます。それは「March」です。


追悼 モハメドアリ②

 

【追悼 モハメドアリ】


〈モハメドアリ映画祭〉というのをやりたいです。
とりあえず、僕が選ぶ五本です。


『かけがえのない日々』When We Were Kings (1996)
『ソウル・パワー』Soul Power (2008)
『アリ/ザ・グレーテスト』The Greatest (1977)
『The Fighters』(1975)
『黒い魂 Stand Up Like a Man』(勝プロ 1974)


アリ関連の映画はまだまだ、いくらでもあります。
『Facing Ali』『A.K.A. Casius Clay』『I Am Ali』『Muhammad Ali, The Greatest』そして、ドキュメンタリでなくても役者として出演してる映画も、まだ他にあるはず。


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GREATEST LOVE OF ALL(アリのテーマ)

 
GREATEST LOVE OF ALL(アリのテーマ)



子どもたちこそ私達の未来
しっかり教えてあげましょう
自分で道を歩むことができるよう
内にある素晴らしい持ち物のことを
本人たちに気付かせてあげましょう


つらい時でも乗り越えられるよう
自信を持たせてあげましょう

大人は 笑う子どもたちの姿をみて
子供時代を思い出しましょう

世間では英雄が求められている
尊敬する人がいるのはいいことだけど
私は目標にする人物を見つけられなかった

頼れる人がいなくて孤独だった
それで自分自身に頼ることにしようと

他人の影をふむ人生は歩むまい

ずっと小さかった頃にそう決心しました

そのほうが 物事がうまくいっても行かなくても
自分が信じた人生を歩んだことになる
騙されても傷つけられても
自分の尊厳だけは誰にも奪えない

最も偉大な愛 それがいま生まれる

最も偉大な愛 それは私の中にある
最も偉大な愛 それは簡単にうみだせる
最も偉大な愛とは、自分を愛せるようになること


I believe the children are our future

Teach them well and let them lead their way
Show them all the beauty they possess inside
Give them a sense of pride
To make it easier
Let the children's laughter
Remind us how we used to be

Everybody's searching for a hero
People need someone to look up to

I never found anyone who fulfilled my needs

A lonely place to be

So I learned to depend on me

I decided long ago
Never to walk in anyone's shadow

If I fail, if I succeed at least I'll live as I believe
No matter what they take from me

They can't take away my dignity

Because the greatest love of all was happening to me
I found the greatest love of all inside of me

The greatest love of all is easy to achieve
Learning to love yourself is the greatest love of all






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