2016年6月アーカイブ
「Revolution Will Not Be Televised」についてギルスコットヘロンのインタビュー。(動画:1分16秒)
インタビュアー:かつて60年代に「革命はテレビ放送されない」と歌っておられましたよね。それでは、現在1990年代、やはり今でも「革命はテレビ放送されない」のでしょうか?
GSH:あのフレーズ〈革命はテレビ放送されない〉で言いたかったことは、つまり、変革が起こるとき、一番最初の段階としては、それは頭の中で起こる、ということなんだ。頭のなかで変革が起こらない限りは、暮らしや人生が変わることはあり得ないだろ。だから、〈革命はテレビ放送されない〉っていうのは・・・その何かが人々を変える。その何かというのは、どうやってもフィルムに撮影することは出来ないものなんだ。それは、普段から目にしているものを前にしながら、ある日、突然に気付くんだよ。〈あっ、オレはいままで違うページを開いてたぞ!〉とね。または〈ページはあってたけど、違う音符を弾いてたぞ!〉とかね。
そして、この国でいま何が起きてるのかということについての正しく理解するためには、全員がシンクロしていかなくちゃいけないって気付くんだよ。
アメリカにあって、本当の意味で一番しぶといアメリカ人といえるのは、もしかしたら俺たち黒人だけかもしれない。俺たちは必要なプロセスを一つ一つ、辿ってこなくちゃならなかった。他の人達はそういう過程をスッとばしてる。俺たちは、行進をやった。聖書の教えにしたがってきた。旗を掲げてきた。たくさんの裁判もした。アメリカの黒人は「アメリカで生まれた」というだけではアメリカ人として認められなかったわけだ。アメリカで生まれたにも関わらず、当然の権利を持っていなかった。それを勝ち取るために、闘わなくてはいけなかった。段階を一つずつ経て、困難を乗り越えてきたのが俺達なんだ。
歌詞すべての翻訳はこちらです。
「革命はテレビ中継されない」(ギルスコットヘロン、1970年)
当の歌詞と、このインタビューでギルスコットヘロンが言っていることを、この数ヶ月かんがえています。
インタビューの前半(「全員がシンクロしていかなくちゃいけないんだ」まで)について書いてみます。
・革命は映像化できない。
・革命は伝送できない。
これはつまり、
・映像化できるようなものは〈革命的〉ではない。
・伝送できるようなものは〈革命的〉ではない。
と言っているようにも聞こえます。
耳が痛い・・・。この時代において、そう感じるのは僕だけではないと思います。
現代のコミュニケーションは、真の、価値の交換を生んでいるでしょうか。
当初は、魔法の杖のような文明の利器と思われたインターネットでしたが、いまや、憎悪や反知性主義の増幅装置として機能しているようにも見えます。
移民・難民への憎悪、他民族・他宗教への憎悪。または、存在さえしないもの(これは、たとえば「反日勢力」神話のことや、陰謀論やトンデモ理論とか)への恐怖・憎悪・信奉。
感性・感情だけが増幅されて、理性や、本当の知識・教養・科学というものは、お手軽な〈情報の束〉または〈欲望増幅装置〉を前にして吹き飛ばされてしまった、と断罪してしまうと大袈裟でしょうか?
革命というのは、価値や認識の転換ということです。
自分の持っている認識がひっくり返る、ということに他なりません。
そのためには、自分が行きたいサイトに行き、見たい映像だけ鑑賞し、読みたいブログだけ読み、GoogleやFacebookやTwitterが選んでくれた、コマーシャリズムのなかで浮遊する情報ばかりに目を通して、ポチッと押したい本だけ買っていては、当然ながら革命は有り得ないのでしょう。
「革命はテレビ放送されない」の意味を考えるにあたって、ギルの言っているポイントは三つかなと思います。
・革命は映像化できない。(映像としては従来の日常と変わらないものである)
・革命は目の前〈ライブ〉で起こる。(いかなる技術をもってしても、遠くへ伝送できない)
・頭の中で変化が起こる。その変化を共有して、正しい現状認識となる。
上記の要件をクリアする〈革命〉とはどのようなものか?
ようやく、僕としては、革命の何たるかが、ぼんやりと理解してきたような気分になっているところです。
どっこい、それは、いま何度も書いているように、ここで「ブログ」なんていう安いメディアでは、たやすく伝送できないことは既述のとおりなんですけど。(また今度書く!)
以上が、このインタビューの前半についての僕の考えたことです。
さて、それではギルはこのインタビューの後半(「アメリカにあって、本当の意味でアメリカ人といえるのは・・・」)において、何を言っているでしょうか? ぜひ、よく読み返して(聞き返して)もらえたら嬉しいです。
革命というのは具体的に表現することはできないわけですが、もし彼が言う革命を簡潔に説明できるととすれば、それは「プロセスを経ること」ということであり、その「プロセス」というのを具体的に表すとすれば、それは一言で表現できます。それは「March」です。
【追悼 モハメドアリ】
〈モハメドアリ映画祭〉というのをやりたいです。
とりあえず、僕が選ぶ五本です。
しっかり教えてあげましょう
自分で道を歩むことができるよう
内にある素晴らしい持ち物のことを
本人たちに気付かせてあげましょう
つらい時でも乗り越えられるよう
自信を持たせてあげましょう
大人は 笑う子どもたちの姿をみて
子供時代を思い出しましょう
世間では英雄が求められている
尊敬する人がいるのはいいことだけど
私は目標にする人物を見つけられなかった
頼れる人がいなくて孤独だった
それで自分自身に頼ることにしようと
他人の影をふむ人生は歩むまい
ずっと小さかった頃にそう決心しました
そのほうが 物事がうまくいっても行かなくても
自分が信じた人生を歩んだことになる
騙されても傷つけられても
自分の尊厳だけは誰にも奪えない
最も偉大な愛 それがいま生まれる
最も偉大な愛 それは私の中にある
最も偉大な愛 それは簡単にうみだせる
最も偉大な愛とは、自分を愛せるようになること
I believe the children are our future
Teach them well and let them lead their way
Show them all the beauty they possess inside
Give them a sense of pride
To make it easier Let the children's laughter
Remind us how we used to be
Everybody's searching for a hero
People need someone to look up to
I never found anyone who fulfilled my needs
A lonely place to be
So I learned to depend on me
I decided long ago
Never to walk in anyone's shadow
If I fail, if I succeed at least I'll live as I believe
No matter what they take from me
They can't take away my dignity
Because the greatest love of all was happening to me
I found the greatest love of all inside of me
The greatest love of all is easy to achieve
Learning to love yourself is the greatest love of all