午前0時10分、ついに参院本会議が再開。民主党 福山議員が演説。
「福山がんばれ! 福山がんばれ!」
国会前では「福山がんばれ!」のコールが何分間にもわたって続きました。ながいあいだ皆で同じことを言い続けました。「福山がんばれ!(福山がんばれ!)」・・・何分間だったでしょうか、延々と言い続けていたら不思議な効果で、涙があふれてきました。
こうやって数ヶ月のあいだ、たくさんの人が何度もここに集まって声をあげてきました。8月31日には雨にもかかわらず12万人も集まりました。今日はこんなにたくさんの人が来ている・・・。それでもこのままこの法案は通ってしまうのでしょうか?
いまここで声をあげている人は、惨敗の現実を受け入れなければいけない悔しさで、半分くらいの人が泣いているんじゃないでしょうか。暗いから見えないし、知らない人の顔を覗き込むわけにもいかないのですが。
約30分後に福山議員の演説は終了。三時間くらいやってほしかった。演説は一人15分までと制限されてしまったとのこと。「あほ! <牛舌>をやって、演説台から引きずりおろされるまで、しゃべらんかい!」と激しく思う。
午前2時ごろ、ついに投票開始。コールは中止される。皆でスピーカーに耳を傾け、投票する議員が一人ひとり呼ばれる声を聞く。スマホで中継の動画を観ると、山本太郎議員がひとりで牛歩をやっている。そのほかは牛歩をするものは誰もいないようです。粛々と投票がすすむ。
しばらくすると、山本太郎議員ひとりになりました。時間をかけて階段をのぼったあと、議員席に向かって何か大声で言っているようだ。「そんなに議員の席にしがみつきたいか!」「外の声が耳に入らないのなら国会議員なんて辞めてしまえ!」と叫んでいたのだと、のちに知る。
投票は終了。票が読み上げられ、かくして戦争法案は可決した。
午前2時30分ごろ、国会前にて福山議員スピーチ。
福山議員:「昨日の、あの暴力的な強行採決の景色と、今日のこの一瞬を忘れないでください!そしてこれからも一緒に闘ってください!」
「選挙に行こうよ! 選挙に行こうよ!」
「デモに行こうよ! デモに行こうよ!」
そして午前3時ごろ・・・何が起こったか? やっとここまできました・・・。実は、これが、とても長いこの「日記」の、本題なのです。
不可解なハイテンションの山本太郎議員がスピーチ。
そして謎のコール。
「アベ〜は ヤメ〜ロ! アベ〜は ヤメ〜ロ!」
「センソ〜は スル〜ナ! センソ〜は スル〜ナ!」
Youtubeにも動画が残されています。けど、今それを改めて見ても、あのときの「違和感」はちょっと伝わらないと僕は思うのだ・・・。
あのとき、あの場所に居た人は、ほとんどが、数週間または数ヶ月、国会に通い詰めた人だったと思う。だから、参議院の通過が決定したとき、かなりの悲壮感に打ちのめされていたはずです。福山議員がスピーチしたとき、涙を流した人も多かったと思う。
そこへきて、この太郎議員のナゾに満ちた、無理矢理に明るいスピーチでした。決して、成功している(ウケている)とは言えないのですが、この日記を書いている今となっては、彼のやろうとしたスピーチの<意味>はよく分かるのです。
「明るくいかないとダメだぞ」と彼は言っていたのです。この段階で、打ちひしがれたり、感傷的になったり、果ては<挫折>したり・・・そんなことでは、権力側の思うツボなのです。ここでガハハハと笑うことができる<信念>が僕たちにあれば、それって権力者にとっては一番おそろしいものじゃないか? それを太郎議員は言っていたのだと思う。
太郎議員:「なんで、あんな法案が通ったのに(お前は)そんなに明るいんだ?って思われる方いらっしゃるかも知れませんけど・・・、これ、今から変えていくだけなんですよ、あとは! そうですよねっ!」
そうして、国会前の数千人で、朝の始発電車まで、スピーチやコールがつづいたのでした。
このあと、SEALDs KANSAIの方の「親子丼とコーヒーの美味しいお店です」のスピーチ。みんなが泣いた。
(最終回へつづく)