2009年8月アーカイブ

ザ・たこさん『ベターソングス』

 

音楽と関係ある度:★★★★★

 大敬愛する先輩「ザ・たこさん」を初めて観たのは5年前。大阪は梅田のNOON。熱いあつい汗だくのライブに感動! しまいには額をマイクでどついて(ちょっとだけ)血を流すパフォーマンスには恐れ入った。こんな凄いバンドが大阪におったんか?!なんで今まで知らんかったんや?! 実はそのイベントのすこし前に、共演者ということで音源をすこし聴いていた。その第一印象も凄くて、その衝撃は「なんじゃこりゃ?、これでライブがカッコよかったらホンマもんや?」というもの。その曲は2枚目に収録の「夫婦茶碗」だった。
 ギター・山口しんじの、くたびれてあせた紺色の70sのチョッキとズボン、そしてもっとくたびれた開襟シャツ。70年代中期・フィリーソウル時代から衣装を変えていない往年のハコバンミュージシャンかと錯覚させてくれる。こんなセンスに勝てる奴、絶対居てへん。そしてボーカル・安藤のハートのこもったソウルフルな歌声にひとたび接すれば、「そうやんなあ?!わかる?!わかるで?!」と図らず強制的に思わせられてしまう。風貌やバンド名が誤解されがちだから余計に。
 かくして、よく話しをさせていただいたら、実はギターの山口しんじは「ファミリートーン」というバンドもやっていて、過去にそちらで、僕のやっていたイベントSHOUT!に出演してもらったりもしていた間柄だった。
 そういう訳で、何故だか僕の目には、ザ・たこさんこそ、きたるべき世紀末を担う、日本のヒーローとなるバンドと映り、次のアルバム『ナイスミドル』を手伝わせてもらうことになったのでした。その時はすでに21世紀に突入していたが。
 先月のフジロックでの出演も、僕は同行できなかったけど、びっくりするほどの大盛りあがりだったようで、あとから「いままで名前で敬遠してましたけど、ライブ滅茶苦茶よかった!」という電話をわざわざ何本かいただいた。こういう声を聞くたびに「そうやんな?、あんたもわかってくれるんや?」と思ったり「しめしめ」と思ったりする。
 先月発売になったばかりの名盤『ベーターソングス』は、僕の一番のお気に入りは6曲目「いつからこんなに」。結成時から変わらない安藤節が聴けます。お腹がいたくなるまで、友達と笑い転げていたのはいつの日だったか、もうあんな日は訪れないのだろうか、と歌っています。みなさんは、最後に「笑い転げた」のはいつですか。テレビとかはあきませんよ。
 
 明日水曜日、代官山LOOPで、ザ・たこさんのリリパとなります。共演はオーサカ=モノレール、(サケロックのハマケン率いる)在日ファンクの2つ。DJは、SHOUT!時代からの旧友・"Rock The" Earth。
 ザ・たこさん、まだ観たことない人は、いける口かアカンか、試してください。

ザ・たこさんのページ
明日のライブ詳細

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