2009年7月アーカイブ

れいこう堂

 

 広島県尾道市に「れいこう堂」というレコード店(CD店)があって、オーサカ=モノレールは10年にわたって長いことお世話になってきた。幾度となく、広島でのライブを開催してもらったのだ。名物店主の信恵さん(のぶえさん=苗字)は、不器用、無口、控えめを絵に描いたような人。最初にお会いしたのは、確か2001年に広島に呼んでもらったときだったと思う。会場にオニギリをたくさん用意してくださっていたが、「食べてください」とか言ってくれへん(信恵さんらしい)から、「あ?、腹へったな?、あれ、食べてもええんかなあ」などと思ったのがやたら記憶にのこっている。
 信恵さん、そして「れいこう堂」スタッフの人たちとの思い出は、本当にたくさんたくさんある。初めて信恵さんとご一緒させていただいたツアーでは、「横川シネマ」という映画館でライブをやった。映画館でライブをやる、という初の試みをだった。機材の調子が悪く開演が遅れ、寒空の中、お客さんに外で待ってもらった。ライブを始めようとすると、当時サックスを吹いていた小林が大けがをした。映画館なので当然ながらスクリーン裏はとても暗く、ライブを始めるために登場する際、階段から落ちて足がびっくりするほど腫れ上がった(それでも彼はライブを無事終えてから病院に行った。) 古い映画館でのライブという環境の中、不思議な一体感がうまれて、僕たちも一生懸命ライブをやった。観に来てくれたみなさんはとても楽しんでもらえたと思う。
 5年前くらいだったかには、お店の2階で打ち上げをやってくださった。お鍋(キムチ鍋やったか、水炊きやったか忘れた)を振る舞ってくださった。店には水道がきていないので、店先にあるJR尾道駅の水道水を汲んできてたのが忘れられない。水道代を払っていないのか、ひいていないのか。
 僕らオーサカ=モノレールは、そうして幾度もお世話になっている。全国的に知られている人ではないが、信恵さんによくしてもらったアーティストは数限りない。尾道という決して大きくない街に様々なアーティストを呼んで、尾道の人々に音楽に接する機会をできるだけたくさんつくろう、という志で、文字通り身を削って活動してこられた。尾道のみならず多くのアーティストにとって、そして直接的・間接的に多くのリスナーにとって、まさに音楽の恩人と言って過言ではないと思う。
 それも平坦な道のりではなかった。2001年くらいだったか、店が盗難にあい、商品を大量に盗まれて閉店に追い込まれたこともあった。お金がまわらず、昼には肉体労働に出かけて店を維持したりされてきた。そして今年はじめには、事故にあってしまった。足を機械に挟まれ入院。足の指を一本なくしてしまった。無事退院できて本当によかった。
 前おきが長くなりました。怪我をしてしまった信恵さんを励まし、恩返ししよう、というイベントを8月22日開催します。完全なれいこう堂応援チャリティーとなります。オーサカ=モノレールほか、たくさんのバンド、アーティストが集結します。信恵さんも来てくれます。


れいこう堂サポート・プロジェクト公式ブログ
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