基礎を固める英語講義 第二回(全15回)

今日は、全15回講義の第2講義となります。

本日の目標は、すべての母音を理解してしまおう、です。
子音は、つぎの第三回でやります。
本当にそんなことができるのか・・・おおきくでてしまいましたが、じっくりお付き合いください。

なぜ母音と子音をまなぶ必要があるのでしょうか?
母音と子音がわかれば、何が理解できるのでしょうか?

それは、音節をつくる部品がそろうということです。
前回講義でやりましたとおり、英語のしくみとは、
 子音+母音+子音 = 1音節
 1音節 = 1語
です。

母音すべてと子音すべてがわかれば、パターンとしてはそれ以上は存在しません。
これが、日本語でいうところの「五十音表をまなぶ」にあたるわけです。
これをやらないことには始まらないわけです。
ここをスタート地点にすれば、日本語とおなじで、やっと英語がブロックになります。
言語が積み木やレンガみたいに見えてくるわけです。また、そのように聴こえてきます。

基礎をかためれば百戦あやうからず、です。
さっそくはじめまたいと思います。

英語には母音と子音、ぜんぶでいくつあるでしょうか。
母音はぜんぶで15個あります。この「15」という数字は憶えておいてください。
諸説あって、もっと多いという人もいるのですが、とりあえず「15」でよいでしょう。

日本語は母音が五つしかありませんから、英語は母音が15ある、と聞くと多いと感じるかもしれません。
でも、英語には漢字も無いわけですから、母音と子音がおわったら、基礎のすべてが片付いたといって過言ではないわけです。

子音のほうはいくつあるかご存知でしょうか。
ぜんぶで24個と考えられています。

今日と次回でそのぜんぶをやってしまおうと思います。
音を理解するコツを伝授しますので、ぜひお付き合いください。
そのコツというのは、ざっくり言いますと、
「この単語とこの単語は母音が同じである」
「この単語とこの単語の子音が同じである」
というふうに考えることです。
舌の位置がどうのこうの、口のかたちがどうのこうの、というのはおすすめしません。
そんなことをやっても永久に英語は言えるようにならないのです。

さて、お断りがあります。
母音と子音の勉強をする、と言ったものの、発音の練習はほとんどやりません。
やるにしても最小限にとどめたいと思います。
本日やりたいことは、母音の全体像をつかむことです。
全体像をつかまないことには、やる気もわきませんし、達成感もありません。
なにができているのか、なにができていないのか、どこまでやったら大体終わりなのか、それを知る必要があります。

全部で15あるという母音には、どのようなものがあるのか、それを見てゆきます。
母音も子音も、数にかぎりがあります。有限です。無限にあるのではないのです。
それが出来るようになれば終わりです。
そうしましたら世の中にあるすべての英語の単語がばっちりに発音できるようになります。
結局、言語とはパターンの組み合わせで出来上がっているだけです。
音節できっちり発音できればリスニングもできるわけです。
逆に音節できっちり発音ができなければリスニングはできません。

母音の全体像をつかんで、スタート地点に立ちたいと思います。
今日は気楽にかまえてください。
ざっと読んでいただいて、全体像を掴んでいただければおわりです。
でもそこが大切なのです。

それではまいりたいと思います。

まず、母音というものがどのように体系だてられているかを考えます。
母音をあらわすアルファベットは原則として五つです。
a i u e o の五つです。
これは誰でもしっていますね。
(五つ、つまり日本語の母音とおなじです。ちがう言語なのに、すこし不思議なことです。)

日本語をはなす人は、日本語の母音についてどう考えているでしょうか。
「母音は五つある、それはア・イ・ウ・エ・オだ」とかんがえています。
では、英語をはなす人は母音のことをどのようにかんがえるのでしょうか?

英語をはなす人は、こう考えています。
「母音には五種類あり、それぞれに〈長いほう〉と〈短いほう〉がある」。

言いかえますと「a」「i」「u」「e」「o」の五つについて、
それぞれに「長いほうの発音の仕方」と「短いほうの発音の仕方」の二つがある、ということです。
どういうことかといいますと、「a」の長いほうの発音方法は「エイ」で、「a」の短いほうの発音方法は「ア」ということです。

これで大体の予想がついたかもしれません。
「i」の、長いほうの発音方法は「アイ」であり、短いほうの発音方法は「イ」です。
「u」の、長いほうの発音方法は「ユー」または「ウー」であり、短いほうの発音方法は「ウ」です。
「e」は、長いほうが「イー」で、短いほうが「エ」です。
「o」は、長いほうが「オウ」で、短いほうが「オ」です。

つまり、「長いほうの発音方法」というのはアルファベットの読み方そのままです。
「短いほうの発音方法」というのは、僕たち日本語話者でいう「ローマ字読み」です。
目から鱗が落ちるような、簡単な仕組みでしょう?
はい、15個あるという母音のうち、これで10個です。

それぞれ、声にだして確認してゆきましょう。

英語は声にだしてください。
「もともと自分の発音がよくないばあいは意味が無いのではないか?」
と思われるかもしれませんが、それは心配におよびません。
なぜかといいますと、とにもかくにも英語の学習は、
「発音がさきか、リスニングがさきか」とか、
「読書がさきか、会話がさきか」とか、
「文法がさきか、実践がさきか」とか、
「読解力がさきか、単語力がさきか」とか、
ニワトリがさきか卵がさきかのような問題に悩まされるものであり、
僕が思うに、この問いに対する解はたった一つです。それは、
〈両方をやっていけば、すこしずつほぐれてくる〉
です。
ですから「順序立ててやらないと効果がない」という心配は無用です。
むしろ、両方をやらないとダメということです。

声をだすことが何より大事です。
ぜんぶ一音節の単語ですので、一音で言ってください。
かたまりごとに、同じ母音をならべてあります。
さきほど言いましたように、ひとまず10種です。

make   つくるという意味
bake   焼くという意味
face   顔という意味
ape   猿という意味
brave   勇敢である、という意味
fate   運命という意味

Mike  男の名前
nice  いいね、という意味
ice  こおり、という意味
kite  凧揚げのたこ、という意味
bike  自転車、という意味

cute  (かわいい、という意味)
tune  (合わせる、という意味)
June  (六月という意味)
use  (使う、という意味)
mute  (音を消す、という意味)

moon  (月、という意味)
spoon  (さじ、という意味)
scoop  (すくう、という意味)
pool  (水溜り、という意味)
stool  (いす、という意味)

bee  蜂(はち)という意味
knee  膝(ひざ)という意味
tree  木(き)という意味
steel  鉄(てつ)という意味
eat  たべる(食べる)という意味
steal  ぬすむ(盗む)という意味
me  私(わたし)という意味

nose  鼻(はな)という意味
stove  暖炉(だんろ)という意味
so  こんなにも、という意味
go  行くという意味の動詞
boat  小舟(こぶね)という意味
coat  防寒用上着という意味
soap  せっけんという意味

cat  猫(ねこ)という意味
bag  鞄(かばん)という意味
man  男という意味
scan  スキャンするという意味
have  所持するという意味

big  大きいという意味
hip  おしりという意味
pick  拾うという意味
lip  くちびるという意味
stick  棒という意味
Nick  人の名前

cut  切るという意味
but  しかしという意味
hug  抱きしめるという意味
cup  湯飲みという意味
tub  大きな容器という意味

pet  飼っている動物という意味
net  網(あみ)という意味
met  meetの過去形
bed  うえに寝るための家具

Bob  人の名前
hot  熱いという意味
not  否定の意味  
got  getの過去形
clock  時計という意味

はい、おつかれさまです。
かたまりで同じ母音であることを確認してください。
自分の声を自分の耳で聴いていただきたいのです。
そうやってゆっくりリストを読んでもらえれば、力がついてくると思います。
いまは、上手に発音できなくてもかまいません。
母音15のうちにそういう母音があるんだ、と知っていただければ、それでよいのです。

それぞれの説明をくわえます。

まず、「a」のバリエーションの「長いほう」はアルファベットそのままで「エイ」です。「エーイ」もいいかもしれません。
「エー」は間違いです。「エー」はもう言わないようにしてください。
これからは発音記号 [eɪ] と記すことにします。

「i」の「長いほう」はアルファベットそのままで「アイ」です。または「アーイ」もいいかもしれません。
これからは発音記号 [aɪ]と記すことにさせてください。

Uのバリエーションで長くよむほうは「ユー」または「ウー」。
これは日本語とほとんど同じ音です。
これから発音記号で「juː」「uː」と記すことにさせてください。

Eのバリエーションで長くよむほうは、アルファベットそのままで「イー」です。
日本語とほとんど同じです。
これからは発音記号で [iː] と書くことにします。

Oのバリエーションで長いほうは、アルファベット読みで「オウ」または「オーウ」です。
「オー」ではありませんので気をつけてください。
たとえば、「note」ですと「ノウト」または「ノーウト」です。「ノート」は間違いです。
発音記号で[oʊ]と記すことにさせてください。

上記で「長いほう」の五つは終わりです。
いかがですか。簡単でしょう?

つぎに「短いほう」にまいります。

短いほうの「a」は「ア」です。
ただし、これはちょっと説明が必要です。
日本語でいうところの「ア」の発音はたくさんある、と学校で教わりませんでしたか。
僕はそう習ったのです。

「ア」の種類がいくつあると云われているかと言いますと、全部でだいたい四つです。
しかし最終的にはたった一つへ絞られます。いまから説明します。

① つよいア([æ]で記すことにする) bad、mad、dad、back、Sam など
② きれいなア([ɑ]で記すことにする) watch、tall、small、all、father、water など
③ よわいア([ʌ]で記すことにする) cut、
④ 非常によわいア([ə] で記すことにする)・・・「あいまい母音」と呼ばれているもの。

①「つよいア」= [æ] のほうは、かなり汚いかんじで、羊が「メェ~(メァ~)」と鳴くかんじでおねがいします。
「短いほうのa」とはすなわち、この①「つよいア」のことです。

②「きれいなア」= [ɑ] は、音としては日本語の「ア」とほぼ同じ音です。ですから発音は簡単なのですが、ちょっと驚かれるかもしれませんが、これはあとで説明する「短いほうのo」なのです。
ですから、あとでまとめて説明します。
大半の英語をしゃべる人はこれを「a」の仲間と考えていないようです。

③「よわいア」です。スペルを見ていただいたらわかると思いますが、これはじつは「短いほうのu」なのです。
ですから、これも、あとの「u」のところで説明します。
日本語話者には「ア」と聞こえるので、「a」の一種というふうに思われているだけです。

④は、俗にいう「あいまい母音」です。
これもあとで説明します。気にせず前にすすみましょう。

いかがでしょうか、これで「短いほうのa」は①の「つよいア([æ])」だけ、ということが分かっていただけたでしょうか。
それでは、つぎの母音へいきます。

「短く発音するほうの〈 i 〉」は、「イ」です。
「だらんとしたイ」と考えるとよいでしょう。口や喉のみならず、顔や全身をだらんとさせると、言っている本人も「イ」なのか「エ」なのか、違いがわからなくなってきます。それが正解です。

ひとつお願いがあります。「ッ(ちいさいツ)」をつかわないようにしてください。
というのは、英語には促音(そくおん)すなわち「ちいさいツ」というのは無いからです。
たとえば、「kick(蹴るという意味)」ですと「キク」となります。「キーク」でもよいかもしれません。「キック」はいけません。
全身をだらんとして発音すると、「ケク」「ケーク」みたいになってきますから、それが正解なわけです。
「big(大きいという意味)」は「ビグ」または「ビーグ」ですし、または「ベグ」「ベーグ」です。
「hip(おしりという意味)」は「ヒプ」または「ヒープ」ですし、または「ヘプ」「ヘープ」です。
これから発音記号で [ɪ] と記すことにさせてください。

短く発音するほうの「u」は、「ウ」ということになります。
「だらんとしたウ」と考えるのがよいでしょう。思いっきりだらんとさせると、しまいに「ウ」なのか「ア」なのか、自分でもわからなくなってきます。それが正解です。

「but」(しかし、という意味)や「cut(切る、という意味)」という単語がこれです。
この単語をみなさんは「バット」「カット」と読んでいるのではないかと思います。
しかし先ほども言いましたように、スペルの通りで、英語話者はこれを「a」ではなく「u」の一種とかんがえています。
じっさい、発音をよく聴いてみれば、「but」は「ブト」、「cut」は「クト」、「cup」は「クプ」みたいに発音していることに気づくと思います。

口や喉、顔や首そして全身を、思いっきりだらんとさせると、ブトなのかバトなのか、はたまたボトなのか、わけがわからなくなってくると思います。それが大正解です。
発音記号はたいてい [ʌ] で示すのが一般的です。

この音は全身をだらんとさせて、身体のしたのほう(つまり喉のつけねや胸のあたり)から出す音です。
いますぐは上手にできなくても構いません。
そういうもんだと知っておいていただきたいのです。
そうしたら、何かの拍子に、つまり誰かがその音を出しているときに、その音が聞こえる日がきます。

下記の単語を、アともウともとれないような、ものすごく「だらんとしたウ」として読んでみてください。
jump, mug, sun, duck, bus, drum, truck, hut, gum, cut, mud, cup, stuff
enough, rough, tough

さて、追記があります。短いほうの「u」にはもう一つあるとされています。
そちらのウを、僕は「はっきりしたウ」と呼んでいます。
はっきりしたウ([ʊ]で記すことにする)・・・book、foot、look、cook、など

それから、先ほども言いましたが、「ッ(ちいさいツ)」をつかわないようにしてください。
たとえば、book(本という意味)の場合だと「ブク」となります。「ブーク」でもよいかもしれません。「ブック」はちがうわけです。

はい、つぎの音へまいりましょう。

「e」のバリーションで短くよむ場合は「エ」です。
「だらんとしたエ」と考えてください。だらんとすると同じく「ア」みたいになってきます。それが正解です。
おなじく、促音(ちいさいツ)はつかわないようにして読んでください。
bed(寝具という意味)の場合だと、「ベド」または「ベード」というほうが良いと思います。「ベッド」はやめましょう。
発音記号は [e] と書くことにします。

あと一つです。
最後にのこっているのは、短いほうの「o」、すなわち「オ」です。

短いほうの「o」は発音記号では [ɔ]と記すことにします。
ただしちょっと事情があります。
この音はたいていの場合、さきほど説明した「きれいなア」になるのです。
ざっくり言うとイギリスでは「オ」で、アメリカでは「きれいなア」になります。
(イギリス英語とかアメリカ英語とかに分けて分析するのは、いろいろ理由があって、僕は良いことと思わないんですが。)
下記の例を、その両方で声にだして読んでみてください。

Bob [bɔb]または[bɑb]  人の名前
hot [hɔt]または[hɑt]  熱いという意味
not [nɔt]または[nɑt]  否定の意味  
got [gɔt]または[gɑt]  getの過去形
clock [klɔk]または[klɑk]  時計という意味

ただし、「両方で言えるようになる」というのが重要なのではなく、
本当はむしろ、「どっちで言っているのか自分でもよくわからない」というのが目標地点です。
だからイギリス英語とかアメリカ英語なんて分類するのはあまりいいことではないのです。

スペルはちがいますが下記も同じです。
両方の音で声にだして読んでみてください。

all  [ɔl]または[ɑl]  すべてという意味
small  [smɔl]または[smɑl]  ちいさいという意味
tall  [tɔl]または[tɑl]  背が高いという意味
call  [kɔl]または[kɑl]  呼ぶという意味
talk [tɔk]または[tɑk]  しゃべるという意味
walk  [wɔk]または[wɑk]  歩くという意味

おまけに、下記のような単語も同じです。「オ」でもいいが、「きれいなア」で発音します。

water  水という意味。
father  父という意味。

ここはものすごく重要と僕は考えています。
たとえば、talk(しゃべる)は「トーク」だと誰もが思っているのですが、じっさいには大半の英語話者は「ターク」と言っているわけです。
トークと言っていないのにトークと思っている限りは、talkを聞き取ることができません。
同じようにスモールと言っていないのにスモールだと思っている限りは、smallを聞き取ることができません。
言葉のしくみ(音節と母音と子音)がわかれば、リスニングが出来るようになるのだと言う理屈です。
この話は第五講義でじっくりやります。

はい、おつかれさまです。
以上で「ながいほう」「みじかいほう」の母音についてのコメントはおわりです。

さて、いくつ母音の勉強をしたでしょうか。
基本の母音は10であると最初に言いましたが、
短いほうの「a」は「つよいア」ですが、くわえて「きれいなア」も紹介しました。
短いほうの「u」は「だらんとしたウ」ですが、くわえて「はっきりしたウ」も紹介しました。
そういうわけで、二つが加わりましたので全部で12の母音を学んだことになります。
・・・ということはあとたったの三つです。

ひとまずおつかれさまです!

それでは、さきへ進むまえに、いましがた読んでもらった練習用の単語集を、もういちど読んでみてください。
ふやしまして、しっかり声をだして、自分で聴いてください。

「母音が同じ」ということを感じながら読んでください。
上手に読む必要はありません。
そういう母音がある、ということを理解していただきたいのです。
全部で15個しかない母音、そのうち12個を見渡してください。

make   つくるという意味
bake   焼くという意味
face   顔という意味
ape   猿という意味
brave   勇敢である、という意味
fate   運命という意味
snake  蛇(へび)という意味
same  同じ、という意味
plane  飛行機という意味
tape  テープという意味

ice  こおり、という意味
Mike  男の名前
kite  凧揚げのたこ、という意味
bike  自転車、という意味
nice  いいね、という意味
like  好き、という意味
hide  隠す、という意味
slide  すべらせるという意味
time  時間という意味
shine  輝くという意味
light  光という意味

cute  (かわいい、という意味)
tune  (合わせる、という意味)
June  (六月という意味)
use  (使う、という意味)
moon  (月、という意味)
spoon  (さじ、という意味)
cube  立方体という意味
tube  管(くだ)という意味
huge  巨大という意味
flute  フルート(楽器)という意味
mute  音を消すという意味

bee  蜂(はち)という意味
knee  膝(ひざ)という意味
tree  木(き)という意味
steel  鉄(てつ)という意味
eat  たべる(食べる)という意味
steal  ぬすむ(盗む)という意味
me  私(わたし)という意味
bean  豆(まめ)という意味
mean  意図する、という意味
beat  打つという意味
meat  肉(にく)という意味
Pete  人の名前
seat  座席(ざせき)という意味

nose  鼻(はな)という意味
stove  暖炉(だんろ)という意味
so  こんなにも、という意味
go  行くという意味の動詞
boat  小舟(こぶね)という意味
coat  防寒用上着という意味
soap  せっけんという意味

cat  猫(ねこ)という意味
bag  鞄(かばん)という意味
man  男という意味
scan  スキャンするという意味
have  所持するという意味

big  大きいという意味
hip  おしりという意味
pick  拾うという意味
lip  くちびるという意味
stick  棒という意味
Nick  人の名前

cut  切るという意味
but  しかしという意味
hug  抱きしめるという意味
cup  湯飲みという意味
tub  大きな容器という意味

pet  飼っている動物という意味
net  網(あみ)という意味
met  meetの過去形
bed  うえに寝るための家具

Bob  人の名前
hot  熱いという意味
not  否定の意味  
got  getの過去形
clock  時計という意味

はい、おつかれさまでした!

さあ、それでは母音のこりたった三個にまいりましょう。
これをやったら、母音はおわりです。
そのまえに、休憩したい人は休憩してください。
一気にやるとお腹いっぱいだと思いますので。

  *  *  *

はい、先にすすんでよいでしょうか。
のこりの母音三個について説明したいと思います。

のこり三個あるという母音のうち二つは「二重母音」というやつです。
二重母音というやつ、はすでに登場していますね。
「エイ」
「アイ」
「オウ」
の三つをすでに紹介しました。
ここに二つ追加したいと思うのです。
「アウ」 [aʊ]
「オイ」 [ɔɪ]

それでは、単語を読んでみてください。

now
cow
boy
coin

さあ、最後までやってきました。
15個あるという母音はいよいよ、のこり一つとなりました。
最後にのこっている母音が何か、わかる方はいらっしゃいますか?
もしよかったら当ててみてください。

さいごの母音、15個目の母音がなにかといいますと、それは、下記のような単語でつかわれている母音です。(いつものように全部同じ母音をあつめてあります。)

hurt  怪我をしたという意味
purse  小さいバッグという意味
surf  サーフィンするという意味
blur  あいまいでぼやけているという意味
work  働くという意味
worm  虫(むし)という意味
nerd  オタクという意味
third  三番目という意味
bird  鳥(とり)という意味
dirt  泥(どろ)という意味

これはまあ、カタカナで書くことのできない音です。
睡眠中のひとが寝言でカラスの鳴き真似をしているような。
食事中のひとがたべものを口いっぱいにほおばって何か言っているような。

この音は、だれかに尋ねるなり、耳にするなりして、「よしわかった」となるところまで探してください。
ちなみに僕個人はどう考えているかと言いますと、「関根勤がジャイアント馬場のものまねをする声を出せばよい」と考えています。
これは冗談でもなんでもなく、真面目な話、高校生のときに「これだ!」と思いました。
それ以来、この考え方で三十年以上、英語をしゃべっております。

発音記号は [ɜ] と記すことにさせてください。

はい、これで15個です。いったんおしまいです。
いままで見てきた15個の母音を表にしておきます。

これで15個の母音が登場したわけです。
ということは、
これからみなさんが英語を読むときも聴くときも、英語に接する時には、その音はかならず、その15あるうちのどれかの音にちがいないわけです。
母音はかならずそこにありますので。

(表)

今日は、ここまで、結構長かったですね。おつかれさまです。
でもあとちょっとだけあるんです。

すくない場合は15個ですが、だいたいの英語の本には、母音の数は20だとか26だとか書いてあると思います。
なんでそんなことになるのでしょうか。
下記、補足します。ここは読みとばしていただいても構いません。

まず、heart(心臓という意味)、park(公園という意味)、start(はじめるという意味)などにふくまれる母音 [ɑr] があります。
これは、母音の一つとしてかんがえてもいいのかもしれませんが、母音+子音と思ってもさしつかえありません。
park(公園という意味)= [p] + [ɑ] + [r] + [k] (子音+母音+子音+子音)
ですから、これは今日お話しした「きれいなア」[ɑ] です。
あとで子音のところでやりますが、アール「r」の発音が理解できたら上記は問題なく、言うのも聞くのも可能になるわけです。

これと同じしくみで下記も理解できるでしょう。
pork [pɔrk](豚肉という意味)
fork [fɔrk](突き刺して食べる食器)
pair [per] (二つで一組という意味)
ear (耳という意味)
peer (じろじろ見るという意味)

それと、すこしだけ重要なやつが最後にのこってしまいました。
それは「あいまい母音」と呼ばれているものです。
ふつうは、発音記号は [ə] と記しますよね。 

あいまい母音については、僕の考えをこちらに書いておきましたのでよかったら読んでみてください。

はい、今日はこれでおしまいです!
終了するまえに、もういちど、大事なことをお伝えします。

15の母音が存在することを知ったわけですから、
これから英語を読む場合は、すべての音が、15のうちのどれかの母音でなければおかしいわけです。
そう考えて、英語に接すると、見えてくる世界がずいぶん変わると思います。
そこが本講義の意味です。

おつかれさまでした!
次回講義では、子音の説明をします。

2023年3月

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